「う…この兵器もろくない?」トランプの発言で話題“弱体化”を施した兵器は存在した?
トランプ大統領は次期戦闘機を同盟国に売る際は性能を10%ダウンさせると発言しました。実はこの方法既に大規模でやられたことがあります、ソ連製戦車で話題となった「モンキーモデル」です。
ウクライナ戦の戦車はモンキーモデルなの?
なぜ、ソ連がモンキーモデルを供給していたかについては、ソ連時代に一切明言されることがなかったので定かではありませんが、戦闘による鹵獲のほか、輸出国や操縦者の離反などで、アメリカやイギリスといった西側諸国に自国の先端技術が流出するのを防ぎたい狙いがあったといわれています。まさに今回のトランプ大統領の発言と同じような内容です。

なお、現在、ウクライナの戦場でロシア、ウクライナ両軍が使っているT-72は、もともと両国とも旧ソ連の構成国なのでモンキーモデルではありません。ただ、対戦車ミサイル「ジャベリン」や、車両上部を狙った自爆ドローンのトップアタックなど、開発当時にはなかった戦法で被害が続出したため、「モンキーモデル」と揶揄する意見も出ています。
ちなみにソ連崩壊後にその多くを引き継いだロシアは、T-72の後継戦車となっているT-90に関して、ソ連製の戦車が大きく信用を落としたことで「モンキーモデルは作らない」と明言しています。ただ、2004年からロシア軍で導入されているT-90Aの輸出版であるT-90Sは、T-90Aに搭載されている赤外線防護システム「Shtora-1」が未搭載で、モンキーモデルほどはひどくはありませんが、若干のデチューンを施したモデルとなっています。
とはいえ、このデチューンはそれほど大きな問題はないようです。事実ロシア軍は、本来インドやベトナム向けに製造されたT-90Sをウクライナの戦場に投入しており、一部車両はウクライナ軍が鹵獲しこれまた使用しています。
Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)
ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。
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