なぜ最近の軽トラは個性ない? 昔は百花繚乱のディープな世界「農道のポルシェ」と呼ばれた車体をご存じか

2025年現在、国内で販売される軽トラックはOEM車が主流となり、実質的にはスズキ「キャリィ」とダイハツ「ハイゼットトラック」の2車種しかありません。しかし、かつては各社が独自設計による個性的な軽トラックを製造・販売していました。

2025年現在は実質2車種に集約

 それでは、2025年3月現在、生産されている軽トラックはどのようなモデルなのでしょうか。

・スズキ「キャリィ」

 1961年に初代モデルが登場して以来、現在までに11世代を数えるスズキ最古の商用車が「キャリィ」です。初代と2代目はボンネットを持つピックアップトラックでしたが、3代目からキャブオーバーモデルとなりました。

 心臓部は7代目のモデル途中で4サイクルエンジンが追加されるまで2サイクルエンジンを搭載していたほか、7代目から軽バンが「エブリィ」として独立したことで「キャリィ」は軽トラック専売車種となりました。ちなみに、2010年にダイハツ「ハイゼット」(後述)に抜かれるまで、39年連続でトラックの車種別年間販売台数1位を誇っていました。

・ダイハツ「ハイゼット トラック」

 軽商用車としては最古の歴史を持つ軽商用車です。前出のスズキ「キャリィ」より先立つこと1年、1960年にライトバン/ピックアップトラックとして初代モデルが登場し、2代目からキャブオーバー型トラック/バンとなりました。

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1998年の軽規格改定に合わせて登場した10代目スズキ「キャリィ トラック」の初期型。セミキャブオーバー型とすることで衝突安全性を高めたが、運転席の足元が狭く、小回りが効かないことから2005年にはキャブオーバー型が追加され、併売された(画像:スズキ)。

 1999年に軽規格が変更されると、軽バンはセミキャブオーバー型となりましたが、軽トラックは厳しい前面衝突安全基準をクリアしつつ、キャブオーバー型を継承しています。また、1981年の6代目からキャビンを延長した「ハイゼットジャンボ」が登場。2018年にスズキが「スーパーキャリィ」を登場させるまで軽自動車唯一のエクステンドキャブモデルでした。

※ ※ ※

 2025年3月現在、各社が販売する軽トラックは、トヨタ「ピクシストラック」とスバル「サンバー」がダイハツ「ハイゼットトラック」。日産「クリッパートラック」と三菱「ミニキャブトラック」、マツダ「スクラムトラック」がスズキ「キャリィ」のOEMとなっています(ホンダは軽トラックを販売せず)。

 日本人の生活に深く根差した乗りものといえる軽トラック。最近では海外でもその使い勝手の良さからアメリカをはじめとした国々で人気だとか。衝突安全性や排ガス規制への適合など、クリアすべき課題が色々あるため、昔のように「百花繚乱」とはいかないでしょうが、各社には頑張って面白い、個性的な軽トラを開発してほしいと心から願っています。

【画像】これが20年間モデルチェンジしなかった軽トラです

Writer:

「自動車やクルマを中心にした乗り物系ライター。愛車は1967年型アルファロメオ1300GTジュニア、2010年型フィアット500PINK!、モト・グッツィV11スポーツ、ヤマハ・グランドマジェスティ250、スズキGN125H、ホンダ・スーパーカブ110「天気の子」。著書は「萌えだらけの車選び」「最強! 連合艦隊オールスターズ」「『世界の銃』完全読本」ほか」に

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コメント

1件のコメント

  1. スズキの軽トラはキャリィではなく、キャリイではないですか?イが大文字です。エブリィもエブリイですね。重箱の隅な話ですけど(^^; ホンダの軽トラ乗った事が有りますが、運転するのが楽しくなる車でした。

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