米の新戦闘機F-47「“劣化版”つくって輸出する」宣言! 「じゃあ要らないよ!」にならないか? トランプ氏の発言が波紋
アメリカのトランプ大統領は、同国空軍向けの次世代戦闘機「F-47」について、ボーイング社が開発・製造を行うこと、そして最新のイメージ図を発表しました。同盟国向けに輸出も可能といいますが、しかしトランプ大統領の「不用な発言」が波紋を呼んでいます。
「あーあ、言わなきゃよかったのに…」
とはいえ、アメリカもまったくモンキーモデルに手を染めなかったわけではありませんでした。
日本にF-15J/DJのライセンス生産権を認めた際、F-15J/DJの原型機であるF-15C/Dに搭載されていた「TEWS」(戦術電子戦システム)の提供を拒否していますし、サウジアラビアがF-15E戦闘攻撃機を輸出した際には、アメリカ空軍仕様のF-15Eより意図的にレーダーや航法装置などの性能を意図的に落とすなどしています。
これまで大きな問題にならなかったのは、導入国が意図的に性能を落とされていてもメリットが大きい、と判断したからです。トランプ大統領の言葉を信じるならば、F-47は優れた戦闘機になるのでしょうから、10%程度能力が落とされても、導入に魅力を感じる同盟国はあると思います。
むしろ問題なのは、トランプ大統領が輸出するF-47の性能を落とす理由として述べた「将来的に外交関係が変化する可能性があるから」という言葉の方でしょう。
戦闘機に限った話ではありませんが、一国が外国から兵器を購入する場合、購入する国との同盟・友好関係が長く続いて、部品の供給やソフトウェアのアップデートなどがスムーズに行われることが大前提となります。
アメリカ合衆国の大統領に「お前の国は完全に信用できないから、モンキーモデルを輸出する」と言われた戦闘機の導入について、導入希望国の政府が自国の納税者に対して理解を求めることは難しいと思いますし、輸出するF-47の性能を意図的に落とすとしても、それを明言してしまったトランプ大統領は迂闊だったと筆者は思います。
劣化版限定でF-35の輸出が困難なロシア製ミサイルの問題を抱えるトルコやライセンス生産を許す形でメイク・イン・インディアを掲げるインドへの折衷案として提示した説