再現されたブルートレインの機関車 付けられたHMは「富士」「さくら」 どんな列車だった?
大井川鐵道は自社の機関車の塗装を、寝台特急をけん引していた国鉄の電気機関車風に塗り替えました。そしてヘッドマーク「富士」を掲出。鉄道ファンから好評を博していますが、この「富士」とはどのような列車だったのでしょうか。
寝台特急の列車名だった「富士」「さくら」
静岡県の大井川沿いを走る大井川鐵道は2025年3月、自社の電気機関車を塗り替え、かつて寝台特急をけん引した電気機関車風としました。この電気機関車には「富士」と描かれたヘッドマークが取り付けられましたが、以前より大井川鐵道の名物でもあるSL列車には、「さくら」のヘッドマークが掲出されることがありました。

「富士」「さくら」とも、かつて国鉄・JRで運行されていた列車に由来するものですが、これらはどんな列車だったのでしょうか。
「富士」「さくら」は「ブルートレイン」こと寝台特急の列車名として長らく使われていました。JRの列車名で「さくら」といえば、2025年現在では山陽新幹線や九州新幹線を走る列車の名前として使用されています。
新幹線の列車名として「さくら」が使用されたのは、九州新幹線が全線開業した2011(平成23)年からで、その前は東京~長崎間を走っていた寝台特急の列車名でした。寝台特急「さくら」としては1959(昭和34)年から使用され、2005(平成17)年に廃止されています。
寝台特急の列車名として使用される前は、東京~大阪間の臨時特急列車の名前として使用され、1951(昭和26)年と、1955(昭和30)年から1958(昭和33)年まで断続的に運行されました。
さらにその前は、戦前に運行されていた特急列車の列車名としても使用され、そのルーツは1929(昭和4)年まで遡ります。当時、東京~下関間を走る特急列車に「櫻」と命名されたのが最初ですが、戦争の激化によって1942(昭和17)年に廃止されています。
「さくら(櫻)」という列車は少なく数えても4つの世代があり、臨時列車として運行されていた時期を細かく分けると、現行の新幹線「さくら」が5代目として運行されているのです。
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