再現されたブルートレインの機関車 付けられたHMは「富士」「さくら」 どんな列車だった?
大井川鐵道は自社の機関車の塗装を、寝台特急をけん引していた国鉄の電気機関車風に塗り替えました。そしてヘッドマーク「富士」を掲出。鉄道ファンから好評を博していますが、この「富士」とはどのような列車だったのでしょうか。
C11形蒸気機関車は「さくら」をけん引したことがある
大井川鐵道に数ある蒸気機関車のうち、C11と呼ばれる機関車があります。このC11形は小さな車体ですが、寝台特急「さくら」をけん引した実績があるのです。

「さくら」には1965(昭和40)年から1999(平成11)年まで、佐世保駅(長崎県佐世保市)を発着する列車もありましたが、C11形は1965年から1年間、佐世保~早岐間の8.9kmで「さくら」をけん引しています。
これは東京~佐世保間のうち、佐世保~早岐間だけ列車の進行方向が逆となり、機関車の付け替えが必要だったためです。先の通り、C11形によるけん引は1年で終わり、その後はディーゼル機関車に交代しています。
ただし大井川鐵道が保有するC11形の190号機・227号機とも、「さくら」をけん引した実績はありません。
一方で、「富士」も第二次世界大戦前から列車名として使用されていた実績があります。「富士」は1934(昭和9)年から、こちらも東京~下関間で運行されていた特急列車に命名されています。「櫻」と運行区間は同じでしたが、客室設備は「富士」の方が豪華でした。
1942年に関門トンネルが開通すると九州にも乗り入れ、東京~長崎間の列車だったこともありますが、戦争の激化で翌年には東京~博多間に短縮され、1944(昭和19)年には廃止されてしまいます。
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