トランプ戦闘機F-47の「コンペで敗けたメーカー」が余裕しゃくしゃくなワケ F-35で“まだまだいける!?”
アメリカ空軍の次期戦闘機開発に関する主契約企業にボーイングが選定。これについてライバルのロッキード・マーチンが異議申し立てをしない方針です。コンペに敗退しても余裕のある素振りを見せる背景には、何があるのでしょうか。
そもそも戦闘機メーカーのイメージなし?
ロッキード・マーチンは1990年代から21世紀にかけてF-22A戦闘機とF-35戦闘機の主契約社に選定されています。またジェネラル・ダイナミクスの買収によって同社の商品ラインナップに加わったF-16戦闘機は、1970年代に開発されたにもかかわらず、現在も最新仕様機であるF-16Vの製造が続いています。
このため、1990年代から現在までの製造機数だけを見れば、ボーイングなどよりもよほど戦闘機メーカーらしいのですが、同社の前身であるロッキードが開発したジェット戦闘機でアメリカ空軍に採用されたのは、P-80「シューティングスター」(練習機型のT-33は航空自衛隊でも採用)と、F-104「スターファイター」の2機種のみでした。
F-104は航空自衛隊や西ドイツ空軍などに採用され、2500機以上が生産されたヒット作となったものの、アメリカ空軍の採用は少数にとどまりました。このため、ロッキード・マーチンはF-22Aの主契約社に選定されるまで、戦闘機メーカーというイメージはそれほどありませんでした。
いや、あまり機数でないし…?
F-47が何機製造されるのかは未知数ですが、アメリカ空軍を含む先進諸国の空軍が描く将来の航空戦のビジョンは、少数の有人戦闘機が、多数の「CCA」(Collaborative Combat Aircraft/協調戦闘機)と呼ばれるUAS(無人航空機システム)を統制するというもので、F-47もCCAの統制能力に重きが置かれています。

F-22Aは187機しか製造されませんでした。将来における航空戦のビジョンや、“F-22Aの後継機”という位置づけを鑑みるに、F-47についても、生産機数がそれほど多くならない可能性もあります。
ロッキード・マーチンにとっても、多数が製造されているF-35やF-16の後継機であれば、是が非でも受注したいところでしょうが、F-22Aの後継機ということであれば、それほど固執しなくても良いのかもしれません。
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