「最新の巨大空母」が東京でなぜ“イベント会場”に? イギリス海軍が断行した艦上フォーラム」の効果とは? でも決して“快適な会場”じゃなかった!
イギリス空母「プリンス・オブ・ウェールズ」が東京に寄港しました。国際イベント「太平洋未来フォーラム」が初めて軍艦で開催されたわけですが、今回、イギリスが空母を国際フォーラムの会場に使った意義を考えます。
でも決して“快適”な会場ではなかった!
しかし、現場には大きな試練が待っていました。東京は連日の猛暑で、乗員もこれまでの航海で最も暑いとボヤくほどです。格納庫の空調が十分でないことは想定内で、埠頭(ふとう)には発電機や大型空調装置が何台も設置され、艦尾から太いダクトを取り込んで冷気を送り込む対策が取られました。会場内にも大型扇風機が置かれています。

しかし今年の東京は、毎年繰り返される「例年にない」高温でした。空母を舞台に国際会議を開くという“非日常”を体感させる一方で、快適性確保の苦労も肌で感じられる場面となりました。
また、制約は他にもありました。艦内にはF-35B戦闘機など高度な機密性を持つ装備があるため、撮影機材はスマートフォン以外持ち込み禁止。乗艦前には金属探知機を用いたセキュリティーチェックが行われました。艦内は電波が届きにくく、ネット環境は良くありません。艦内トイレも参加者には開放されず、基本的な利便性の確保に難がありました。
この快適性と利便性の不足をフォローしたのが、東京国際クルーズターミナルでした。管理する東京都港湾局、東京港埠頭(株)は、プリンス・オブ・ウェールズの寄港期間中は関係者以外の立ち入りを制限するなどの便宜を図りました。
ターミナルには冷房の効いた控室やトイレ、Wi-Fi環境があり、参加者や随行団の拠点として機能しました。今回のフォーラムは、イギリスの「Hosted in HMS PRINCE OF WALES」と東京都の「クルーズターミナル後援」が一体となって成立していたといってよいでしょう。
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