「女性向けの車」最近聞かなくなったワケ 成功したのは一握り? 今思うと“ユニークすぎる”装備も

日本車で「女性向け」をうたうモデルが昔からありました。かつてはユニークともいえる機能を詰め込んだ「女性向けモデル」も作られたものの、近年はあまり聞きません。何がどう変化したのでしょうか。

オルゴール搭載!? 60年以上前に誕生した「女性向けモデル」の先駆け

 日本の自動車には、開発の段階から「女性を意識した」モデルが少なくありません。そうした女性向けモデルの歴史は60年以上と非常に古く、女性の社会進出が進むにつれて支持が広まっていきました。しかし、現在ではこのようなモデルやグレードは少なくなり、“女性向けのクルマ”という存在のあり方自体も変容しているようです。

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「女性向けモデル」の始まりとは?(画像:ダイハツ)

 日本車で初めての「女性向けモデル」とされるのは、1961年に日産の中型セダンだった初代「ダットサン・ブルーバード」シリーズに追加された「ファンシーデラックス」です。当時は“クルマの運転=男”という価値観がまだまだ一般的でした。

 ボディカラーにはピンクやレモンクリーム系のバリエーションを用意し、内装色もこれに調和したものになっていました。また、専用品として化粧ポーチ内蔵の助手席サンバイザーや、リアシート上部のコートハンガー、ダッシュボードサイドのハイヒールスタンド、一輪挿しなど、30点以上もの特別装備を採用。なかには、作動音がオルゴール音となっているウインカーなど、非常にユニークなものもありました。

 ただし、前述のように1960年代当時はまだまだ「男は外で稼ぐ・女は家庭を守る」という価値観の時代。ファンシーデラックスの主なユーザーは、女性の会社経営者、芸能人、裕福な家庭の婦人といったセレブ層であり、全体的な生産台数はそう多くなかったようです。その後、女性向けモデルの歴史には20年ほどの空白が生じます。

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