「女性向けの車」最近聞かなくなったワケ 成功したのは一握り? 今思うと“ユニークすぎる”装備も

日本車で「女性向け」をうたうモデルが昔からありました。かつてはユニークともいえる機能を詰め込んだ「女性向けモデル」も作られたものの、近年はあまり聞きません。何がどう変化したのでしょうか。

「女性向け」の新型車はもう出ない?

 さすがに、一般的な女性ドライバーがロードスターを選択するのはハードルが高すぎたようですが、言い換えれば日本における女性向けモデルは、依然として軽自動車やコンパクトカーが中心でした。しかし、2000年にはなかでも異色な女性向けモデルが登場します。それがスズキの「ジムニーL」です。

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2002年登場のスズキ「アルトラパン」。当初は女性向けだったものの、結果的には性別問わず支持を獲得(画像:スズキ)

 ジムニーと言えば、良くも悪くも“男らしい”タフな軽4WDクロカンとして有名ですが、ジムニーLはなんと2WDで、ズバリ「街乗りを気軽に楽しみたい女性」を狙ったものでした。ですが、そもそもジムニーを選ぶようなアクティブな女性にとっては物足りず、そうでない女性にとっては硬い乗り心地や高い車高が不便でした。結果、ジムニーLはすぐに姿を消しています。

 そんな失敗も頭にあったのか、スズキは2002年、女性向けモデルとしては空前の大ヒット作となった「アルトラパン」をリリースします。ラパンは「身近な雑貨や家具のような愛着の持てる道具」をテーマに企画を立案。デザインは現行の3代目まで、一貫して「かわいさ」を追求し、今では女性のみならず、男性ユーザーからも好まれるロングセラーに成長しました。

 また、2004年にはトヨタ「パッソ」、ダイハツ「ブーン」が登場。ダイハツが開発・生産を主に担当したパッソ/ブーンですが、特に2代目以降は丸みを帯びたかわいらしいデザインや豊富なボディカラーなど、女性を強く意識したモデルとして開発されました。両車は2023年の販売終了まで、まずまずの支持を得ました。

 さらに、2009年にはダイハツ「ミラココア」がデビュー。リリース時の発表によれば、ターゲットは「自分の感性・感覚でモノ選びを行い、毎日を肩肘張らずに楽しむ女性」で、ライバルのラパンと比べても、さらに“かわいさ”を重視していました。

 ミラココアのコンセプトは2016年、「ムーヴキャンパス」へと発展します。ボディスタイルはスライドドアを備えたハイトワゴンへと進化し、扱いやすさはいっそう向上。今日までロングヒットを続けています。

 一方、ダイハツは2018年にココアの後継車「ミラトコット」も発売しましたが、こちらはヒットには至らず、5年ほどで生産終了になりました。トコットは従来までの女性向けモデル同様、かわいらしいスタイルやカラーリングが売りでしたが、こうしたモデル開発はもはや、実際の女性ユーザー像と乖離しているのかもしれません。

 日本車でメーカーが公式に明言する「女性向けモデル」は、実質的には現在のところトコットが最後となっています。これはあくまでも筆者個人の意見ですが、ジェンダーレス化が進み、かつてのように女性のニーズを“紋切り型”で図ることができなくなった今では、ことさらに“女性向け”をうたうモデルはもう出てこないのではないかと思います。

【本格クロカンなのに2輪駆動!?】これが前代未聞の「女性向けジムニー」です(写真で見る)

Writer:

1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。

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コメント

2件のコメント

  1. まっそれだけ女性ドライバーが増えたと言う事。

    つまり鉄子ブームはフェイクだったとも言えるのであった。

  2. 「回転する運転席」で真っ先に頭に浮かぶのはグレンダイザーとかゲッターロボGだったりしませんか。

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