ホンダ“名物バイク”の始祖!? 大戦中の「英折り畳みバイク」軽くするため諦めたものとは? 大阪で実車見てきました!

第二次大戦中、空挺部隊が戦場に降下した後の移動手段として各国で研究された小型バイク。イギリス軍によって実用化された折り畳み式のバイクは戦後に民間でも使われ、さらに日本ではあの小型バイク開発のヒントにもなりました。

小型軽量で空挺部隊や特殊部隊にも採用

 設計者はSOEのハリー・レスター技師。彼はSOE内でオートバイに精通していたことから担当者となり、試作までこぎつけます。こうして生まれた折り畳み式バイクは乾燥重量32kgで、収納時にはハンドルを後方に折り畳みサドルを下げて空中投下コンテナに収納できるよう、さまざまな技巧が施されていました。なお、搭載するエンジンは単気筒2ストローク空冷ガソリン(98cc)で、最高速度は48km/hを発揮しました。

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イギリス軍の空挺兵が改修した空中投下コンテナから、ウェルバイク取り出して使用するまでの記録映像。11秒以内に組み立てて走り出す事ができた(吉川和篤所蔵)。

 しかし、コンテナの容量制限から燃料タンクは容量3.7リットルと小さく、かつ給油口がキャブレターよりも低い位置にあったため、走行前にタンクに内蔵された手動ポンプで加圧する必要がありました。

 また軽量化のためにサスペンションやライトは備わっておらず、ブレーキも後輪だけでしたが、それでも行動距離は140kmありました。その後、試作車はイギリス陸軍の特殊作戦学校や空挺部隊で実用試験が行われ、エンジンの出力調整などを経て実用性が認められます。

 なお、いつのまにか「ウェルバイク(Welbike)」という名で呼ばれるようになりますが、これはウェルウィン村にあるステーションIXで開発された秘密兵器は「ウェル」で始まる名前を付ける慣習があったからだと言われています。

 こうして完成したウェルバイクは、エクセルシオール・モーター社で1942年9月より生産が始まり、3741台が生産されました。量産車には3種類のバージョンがあり、最初の1000台は「マークI」と呼ばれ、エンジンの出力調整が行われた初期試作車と同じ仕様です。次の1400台は「マークIIシリーズ1」と呼ばれ、リアタイヤのマッドガード(泥除け)などが追加されました。最後の1341台は「マークIIシリーズ2」と呼ばれ、加圧ポンプを取り外す必要のない改良されたフィラーキャップを備えた燃料タンクを装備していました。

 空中投下コンテナから取り出して11秒以内に組み立てて走り出せるウェルバイクは、イギリス陸軍の空挺部隊やコマンド部隊、同国海兵隊のコマンド部隊に配備されます。そして1944年のアンツィオやノルマンディー上陸作戦などで活躍しました。また広い滑走路を持つ空軍基地でも密かにこれを隠匿して、整備員などの移動用に活用したというハナシも伝わっています。

【意外とオシャレ?】日本唯一の「ウェルバイク」跨ってみた(写真)

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