「なぜ凍った海を船が動ける?」立ち往生しない「砕氷船」の機能とは“ドリル”で進む派手なヤツもいる!?

2025年12月19日、北海上保安庁の新たな巡視船「そうや」の引き渡し式が実施されました。同船は、先代の「そうや」と同様に砕氷性能を備えているのが特徴です。

氷が浮く海を航行するために必要な機能とは?

 2025年12月19日、海上保安庁の新たな巡視船「そうや」の引き渡し式が実施されました。同船は、先代の「そうや」と同様に砕氷性能を備えているのが特徴です。

Large 20251228 01

拡大画像

2025年12月19日に就役した海上保安庁の新型「そうや」(画像:第一管区海上保安庁)

 氷の上を船で航行しても立ち往生しないのは、そうした海域に適した機能を備えているためです。その代表的な機能が砕氷性能であり、これらの能力を持つ船は「砕氷船」とも呼ばれます。

 砕氷船はその名の通り、水面の氷を割りながら進む船のことです。もともとは北極海や南極海など、氷に覆われた海域を航行するため、19世紀後半頃から建造され始めました。

 特徴としては、氷に乗り上げて割るのに適した船首形状、幅広な中央船体、氷の圧力を下方へ逃がすための船底構造、そして氷を押し切るための強力なエンジンを備えている点が挙げられます。

 大型の砕氷船では、エンジンで発電し、その電力でモーターを動かして航行する方式が主流です。これは、砕氷船の操船方法のひとつである、助走をつけて分厚い氷へ突入し割る「ラミング」を行う際、前進・後進の切り替えが容易であること、またモーターの方が低速時のトルクに優れていることが理由です。

 さらに、特殊な方法で氷を割る砕氷船も存在します。紋別市のオホーツク・ガリンコタワーが運航している「ガリンコ号II」および「ガリンコ号III IMERU」です。これらの船は「アルキメディアン・スクリュー」と呼ばれる螺旋状のドリルを船体前部に装備し、それを回転させて氷に乗り上げ、船体重量を加えることで氷を砕き、毎年2月頃から流氷域を遊覧船として航行しています。

 ちなみに、日本の公的機関が保有する砕氷船としては、前述の新型「そうや」のほか、海上保安庁の「てしお」、海上自衛隊の砕氷艦「しらせ(2代目)」があります。このほかにも民間が所有する船は存在しますが、その数はわずかです。

 一方、冬季に港湾が凍結する国々では、遊覧船などの民間船に加え、探査船や巡視船、軍艦に至るまで砕氷機能を備えているケースが多く見られます。世界最多の砕氷船保有国であるロシアは、50隻以上の砕氷船を保有しており、動力として原子力を使っている船も多いです。

【イメージ通り!】アニメみたいなドリルがついてる「ガリンコ号」ほか(写真)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  2. 「断固たる措置を講じる」首都高公式ブチギレ! 「公平性を著しく損なう」非常識ドライバーに“鉄槌”…一体何が?
  3. 「知らなかった!」SNSで話題に 高速道路の“2つ並んだ赤い三角コーン”、実は超重要な「ある合図」だった! NEXCO公式が投稿
  4. 神奈川県警の“バイクは自転車レーン走るな”投稿にツッコミ殺到! 「自転車にも車にもバイクにも迷惑です」…何が問題に?
  5. 史上最大の軍艦より135mもデカい!? 旧海軍「大和」を凌ぐ『エースコンバット8』の新ボス「陸上戦艦」の衝撃スペックとは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号