「白いロマンスカー」はなぜ短命だったのか 最も豪華&正統派もわずか17年で引退 「究極」ゆえの代償
小田急電鉄の50000形電車「VSE」は、連接構造、前面展望席、軽食・飲料のシートサービスなど、特急ロマンスカーの伝統的な要素を全て盛り込んだ車両でした。惜しまれつつ引退した名車について振り返ってみましょう。
何が要因? わずか17年で引退
VSEは、他のロマンスカー車両とは異なり、基本的に新宿~箱根湯本間に限定して運用されました。
列車は大好評を博しましたが、その全盛期は短いものでした。2016(平成28)年にロマンスカーを20分間隔にするダイヤ改正が行われ、VSEを特別扱いするダイヤが維持できなくなったのです。カフェカウンターは営業休止となり、ワゴンサービスに切り替えられます。
2018(平成30)年には新型ロマンスカーの70000形「GSE」が登場する一方、小田急はVSEの継続使用を検討しましたが、車体のダブルスキン構造は、溶接などの熱を加えての補修が不可能で、修理が非常に難しいという現実がありました。また、連接構造と車体傾斜を組み合わせた「唯一無二」の構造は、経年劣化した際の更新が困難であることも問題となりました。結果、VSEは譲渡も不可能と見なされ、登場からわずか17年の2022(令和4)年に定期運行が終了し、翌年に完全引退を迎えました。
VSEは2026年3月19日、神奈川県海老名市にある「ロマンスカーミュージアム」で先頭車両の保存・展示が始まり、栄光の日々を伝える予定です。
なお、小田急は2029年から、展望席を備えた新型ロマンスカーの80000形を導入すると発表しています。「VSEの後継」と位置付けているようです。詳細はまだ伏せられていますが、魅力あふれる新しい名車の出現を期待します。
※本文を一部修正しました(3月17日11時40分)。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。





白いロマンスカーは多摩川から西の地域の風景には馴染まなかった…
新幹線では無いのだから、最高速度を求めるデザインよりもどこかノスタルジックであの丸く、真ん中に寄った前照灯のデザインが地域に馴染む。
箱根の電車のイメージは登山鉄道…“江ノ電”を見れば判るが観光地へ向かう列車に求めるものは旅行の気分を爆あげする“ブサカワ”。フロントデザインが丸く前照灯が車体中央部に寄っている昭和40年代のデザイン。