「国産初」はずっと現役! 「日本最大級」は軍の要請!? 鉄道の“古参トラス橋”を空から愛でる

日本の鉄道には数多(あまた)のトラス橋が使用されています。その中から、明治期の輸入トラスや日本最大級を誇る大型トラスなど、特徴的な鉄道橋を空撮写真とともに紹介します。

軽量かつ頑丈なトラス橋

 日本の鉄道には数多(あまた)のトラス橋が使用されています。その中から明治期の輸入トラスや大型トラスを空撮の視点で紹介します。橋梁の構造については専門的な文献に譲り、ここでは空から見た橋梁の構造美を楽しみます。

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東海道本線桂川橋梁を南東方向から見る。手前は東海道新幹線。下り線は短径間のワーレントラスが連続し、223系電車が走行する上り線はアメリカン・ブリッジ社製と国産の汽車会社製ポニーワーレントラスが連続する(2025年、吉永陽一撮影)

 トラス橋は、柱状の部材を組み合わせて桁を支える橋です。コンクリート橋やレンガ積みなどと異なり骨組みで桁を支えるために軽量かつ頑丈です。部材を斜めに配して三角形に組むのが一般的ですが、部材の組成構造によって様々な呼称があり、代表的なものは「ワーレントラス」や「プラットトラス」があります。

 トラス橋の構造を簡単に説明すると、線路の左右にトラスを組み、左右上部の上弦材は横方向の変形防止のため、端部が橋門構(きょうもんこう)、中間部が対傾構(たいけいこう)と上横溝(じょうよここう)でつながり、下部の下弦材は横桁と下横構でつながります。これが一般的なトラス橋構造ですが、「ポニートラス」という種類は長さ(径間長・支間長)が短く、橋門構と上横構を省略したもので、仔馬を意味するポニーを冠しています。

 明治時代の橋梁は、英国、ドイツ、アメリカといった国々からの輸入が主でした。橋梁の国産化は、製鋼業の立ち上がりと発展が進み、鉄材の国産化が安定してきた明治後期になってからです。

 初の国産トラス橋の一つは、1911(明治44)年架設の東海道本線桂川橋梁(西大路~向日町間)のポニーワーレントラスといわれています。このトラスは、1876(明治9)年の神戸~京都間開通時に架橋されたイギリス製の錬鉄と鋼製の100ftポニーワーレントラス群が輸送力増強によって架け替えとなる際、アメリカ製のトラスとともに架設され、現在も東海道本線下り線として使用されています。

 箱根登山電車の通称「出山の鉄橋」は、塔ノ沢~出山信号場間の早川に架かる早川橋梁です。全長61mのダブルワーレントラス構造は深緑色をまとい、渓谷の景観に溶け込むかのようです。谷は深く、早川から橋までの高さは43m。大正初期の架橋工事では、谷底から足場を組んで建設されました。

 ダブルワーレントラスは新製ではなく、第一次世界大戦による鋼材不足のために東海道本線天竜川橋梁から移設されました。天竜川橋梁は1889(明治22)年に英国パテント・シャフト・アンド・アクスルトゥリー社(Patent Shaft & Axletree Co. Ld.)から輸入された200ftの鋼錬鉄混成のもので、日本最古級の現役ダブルワーレントラスです。

【構造美!】輸入&大型の「特徴的なトラス橋」を見る(空中写真)

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