重さ300kg増しでも「ガソリン車と何も変わらない」本当か? ダイハツ初の量産EVに乗った 「重いからイイのよ」も多数!?

ダイハツ初の本格量産BEVとなる「e-ハイゼット カーゴ」。働く人のためのクルマであるハイゼットがBEVになることでどう変化するのか、メリットはあるのか、実際に試乗して分かった詳細をリポートします。

働く人が嬉しくなる「BEVならではの長所」も

 実際に運転してみると、開発陣が苦労したという「不変な運転感覚」はすぐに実感できました。

Large 20260329 01

拡大画像

電動化された商用バンの「e-ハイゼットカーゴ」(西川昇吾撮影)

 特にアクセルは、40%程度の開度までは街中で多用されるため、コントロール性を重視したマイルドなセッティングです。ブレーキも回生システムの介入を感じさせず、ガソリン版と同じ感覚で踏めます。「これなら積み荷を積載していても安心」と、筆者(西川昇吾:モータージャーナリスト)も好印象を抱きました。

 加えて、e-ハイゼットカーゴには働く人々が「嬉しい」と思える、BEVの利点を活かした特色も持っています。

 前述のアクセルの操作感覚は、半分以上踏み込むと一転。今度はシームレスで素早い加速を見せてくれます。これは高速道路での合流加速などでは心強いポイントで、必要な時にはBEVのメリットである鋭いダッシュ力を発揮してくれます。

 また、重量増に伴う重量配分の適正化によって、走行中の安定性や乗り心地が大きく向上しています。今回は首都高でもテストを行いましたが、幅が狭く背の高い軽バンでは、こうしたシーンでドライバーは時折「横転するかも」と不安を覚えます。ところが、e-ハイゼットカーゴはカーブでも軽バンとは思えないほどロール感が少なく、安定した姿勢をキープしました。これなら怖い思いをする場面も減るでしょう。

 さらに、乗り心地のよしあしはドライバーの疲労度に直結しますが、こちらもしっとりとしていて快適です。また当たり前ではありますが、BEVになったことで走りが静かにになり、停車中のアイドリング騒音もなくなりました。

 特に後者については、すでに導入を検討しているビジネスユーザーからも大きな関心を集めているとのこと。「配送時の待ち時間や伝票の作成時に、周囲を気にせずエアコンを使える」など、具体性のあるアピールポイントになっているようです。

 加えて、e-ハイゼットカーゴのセンターコンソールには、最大1500Wまで対応する100V電源も装備されています。工具のバッテリーなどを充電しながら走ることができるなど、実際の使用シーンのことがよく考えられているなと感じました。

 変えてはいけない部分を守りつつ、BEV化の利点を働く人々の快適・安心性の実現につなげたe-ハイゼットカーゴ。単なるエコカーとしてだけでなく、よきビジネスパートナーになる軽商用バンとして、積極的に選びたくなる1台だと感じました。

【工具、充電できるじゃん!】これがダイハツ「軽商用EV」の専用装備です(写真で見る)

Writer:

1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体、ファッション誌などで、新車情報からカスタムかー、旧車、カーライフお役立ちネタまでクルマに関して幅広く執筆。自身でのレース活動も行っている。

最新記事

コメント