「遅延が許されない社会」バス事業者の苦心 “雪だるま式”に拡がる影響 「働き方改革」が与えた影とは

バスは渋滞や遅延の影響を受けることがあります。近年は社会の変化や、いわゆる「2024年問題」の労働規制により、遅延の影響が従来より大きくなっています。

遅延をチャラにする"対策!?”

 実は、多くのバス事業者で、終点直前の1区間の所要時間を長めに確保しています。法令上、定刻より早く発車する「早発」は許されないため、途中停留所の通過時刻を少しずつ早めに設定して早発を防止するとともに、最後の1区間、わずか数百メートルに数分を取ることで、終点では遅延がない(道路が極めて順調だった場合は多少「早着」する)よう工夫しているのです。「タルミ(ダイヤの弛み)」とか「捨て時分」「余裕時分」などと呼ばれます。

 鉄道駅が終点である場合はそれで解決なのですが、系統の中間で鉄道駅を経由する場合や、JRの駅と私鉄の駅の両方に停車する場合など、先に停車する駅では遅延が常態化し、乗客の不満足を招いてしまいます。そこで、遅延の影響を広範囲に広げないよう長い系統を中間地点で二つに分ける事例などもみられますが、デメリットもあり解決が難しい問題です。

高速バスは遅延するともっと深刻!

 路線バスよりも長い距離を運行する高速バスや貸切バスでは、主に高速道路の渋滞が“大敵”です。

Large 20260402 01

拡大画像

路線バスの終端は、歩行者も多い路地を慎重に運行して駅前にたどり着くケースも。吉祥寺駅南口の小田急バス(乗りものニュース編集部撮影)

 なぜなら、国の規制により、運転手が連続して(休憩などを挟まずに)運転できる時間の上限が決まっているので、大きく遅延すると予定外の休憩を取る必要が生まれ、遅延がさらに拡大するからです。高速道路の渋滞は日曜日の夕方に多く発生し、乗客は(実は運転手本人も)早く帰りたいという気持ちになりますが、安全確保のためですので理解をいただく必要があります。

 そうした遅延の影響は、当日だけに留まりません。運転手の休息期間(退勤時刻から次の出勤時刻までのインターバル)も国の規制があるためです。遅延により今日の退勤が遅れた運転手は、明日の出勤を遅らせないといけないケースが生まれます。

【遅延対策!?】これが"降車ボタンを押してても通過する”場合がある「秘密の高速バス停」です!(写真)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  3. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  4. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  5. ウクライナ軍の「1000機の無人機」がモスクワの製油所を襲撃!“タンクが吹き飛ぶ瞬間”を捉えた映像を大統領が公開 今後の影響は?
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス