厚さ5mのコンクリートを突き破る!「重さ2t超えの巨大爆弾」アメリカがイランに使用「運べる戦闘機」わずか1機種のみ

アメリカ軍がイランの地下兵器庫に対し、戦闘機搭載用としては世界最大級となる2.3tの巨大貫通爆弾を実戦投入しました。強固なコンクリートや岩盤を突き破り、地中深くを粉砕する恐るべき破壊兵器のメカニズムと誕生の歴史をひも解きます。

原点は湾岸戦争 さらに巨大な「最終兵器」も

 しかし、この巨大な兵器を運用できるプラットフォームは極めて限定されます。現時点でGBU-72を搭載可能とされるのは、アメリカ空軍のF-15E「ストライクイーグル」戦闘爆撃機のみです。同機は、高いペイロード能力と堅牢な機体構造、さらに精密誘導兵器の運用に特化したアビオニクスを備えるため、戦闘機でありながら爆撃機に匹敵する打撃力を発揮します。GBU-72の運用は、この機体の持つ「戦闘機以上、爆撃機未満」という独自のポジションを象徴するものと言えるでしょう。

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世界で2番目に強力なバンカーバスターであるGBU-72は重量5000ポンド(2.3t)で、通常の爆弾に比べ炸薬量が少なく貫通能力に長けている(画像:アメリカ空軍)

「バンカーバスター」の系譜を遡れば、その原点は1991年の湾岸戦争に行き着きます。当時、イラク軍が保有する強固な地下施設を破壊するため、急遽開発されたのが5000ポンド(2.3t)のGBU-28でした。

 これは203mm榴弾砲の砲身を転用した鋼鉄製の弾体を持ち、F-111「アードバーク」戦闘爆撃機によって運用されました。GBU-28は、限られた時間のなかで実戦投入されたものの、地下施設に対する航空攻撃の有用性を全世界に見せつけることに成功し、地下陣地であっても安全でないことを明らかにしたのです。

 このとき使用されたGBU-28は、土であれば約50m、強化コンクリートであっても5mを貫通できるとされており、GBU-72も恐らく同等以上の貫通力を保持していると考えられます。

 ただ、それでもアメリカ空軍は満足しませんでした。GBU-72ですら力不足となる地下施設も存在すると考えた結果、さらに強力な「バンカーバスター」として、13.6tに達する超大型爆弾「MOP(Massive Ordnance Penetrator)」を開発・保有しています。

 これはB-2戦略爆撃機によってのみ運用される「最終手段」に近い兵器であり、地中深くに構築された核関連施設や指揮中枢を破壊することを目的としています。

 前出のGBU-72が戦術レベルの地下目標を担うのに対し、MOPは戦略レベルの「地下要塞」を対象とする存在であると言えるでしょう。

【重さ13t超え!】世界一強力な「バンカーバスター」投下の瞬間です(写真)

Writer:

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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