宇宙人に見られているかも!? 意図せず宇宙に放出されている人類の「存在証明」

24時間休むことなく、人類は膨大な量の“なにか”を宇宙空間に放出しています。いったいナゼ!?

宇宙に向けて発信され続ける「存在証明」

 ここで浮上するのが、「観測される側」としての人類という視点です。我々は長らく、宇宙に向けて積極的に信号を発信するか否かの是非を巡って議論を重ねてきました。何故ならば文明間の接触が友好的であるとは限らないからです。むしろ人類の歴史においては、技術力に差のある二つの文明が出会ったとき、それは片方の文明にとって悲劇の始まりを意味していました。インカ、アステカなど様々な文明が外部との接触によって滅亡した事実を考えるならば、人類から積極的に外に信号を発することは控えるべきだと言う意見があります。

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広く使われているARSR-4航空路監視レーダーシステム。平均電力3.5kWの電波を常時発信している。航空機探知距離は463km(画像:アメリカ空軍)

 しかし現実にはそのような考え方とは無関係に既に地球は強力な電波源として機能しており、24時間体制で稼働し続ける航空・防空システムによって極めて安定した放射を継続しています。ここで語られるのはあくまで理論的可能性に過ぎず、電波の減衰、星間物質による散乱、受信側の感度限界といった要素を考慮すれば、実際に検出が行われる確率は決して高くはないかもしれません。それでもなお重要なのは、人類が意図せずして宇宙に向けた「存在証明」を発信し続けているという事実です。

 航空用レーダーは本来、空域の安全を確保するための技術です。しかしその副次的効果として、地球という惑星は銀河の中で微弱ながらも確実に「声」を上げています。我々が空を監視するために放った電波は、今この瞬間も光速で宇宙を横断し、未知の観測者に向けて広がり続けているのです。もしその先に誰かがいるとすれば、彼らはすでに気づいているのかもしれません。この惑星に、組織だった航空交通と、それを支える知性が存在することを。

【写真】レーダーの構造とは? これが巨大レーダーの内部です

Writer:

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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