最新「無人システム」が使い物にならない!? 米軍の掃海部隊がボロボロな理由 機雷処理で“世界屈指の海自”に白羽の矢が立つ日
現在、アメリカ海軍はイランの港湾の封鎖と、戦略的に重要なホルムズ海峡の掃海という任務を同時に与えられています。しかし、この掃海分野こそ米海軍の意外な弱点となっています。いったい何が起こっているのでしょうか。
米海軍の掃海能力がもたらす日本への難問
アメリカ海軍のMCMパッケージの最大の利点は、従来のようなダイバーなどを危険にさらすことなく、完全な無人環境で機雷を発見、処分できる仕組みにあります。同様のシステムは現在、イギリスや日本でも導入が進んでいます。
しかし、実際には悪天候時にはCUSVの発進と回収が困難であるほか、戦場という環境下では母艦と自律航行する無人ボートやヘリとのあいだで必要な大容量データの通信安定性が確立されていません。米戦争省(旧国防総省)の運用試験評価局の報告書でも、2026年3月時点で「実際の機雷戦環境で信頼性が保障されない」と手厳しく評価されている状況です。まだ掃海には有人技術による従来型の作業が不可欠なのです。
実際、報告書にも、現状ではLCSとMCMパッケージ運用は、アヴェンジャー級のような専用の掃海機に比べて機能が限定的と明記されています。
これを裏付けるように、今年(2026年)4月には佐世保基地(長崎県)配備のアヴェンジャー級掃海艦2隻を急遽ペルシャ湾に派遣する動きが報じられています。
開戦以来、イランが大規模な機雷敷設を実施した動きはありません。実際には、夜陰に乗じた漁船や小型舟艇による散発的な敷設で、その数も数十個程度と見積もられています。
しかし、アメリカ海軍の掃海能力がかなり低調である現状を鑑みると、充実した掃海部隊を持つ日本に「掃海支援」を要請する可能性はかなり高いと思われます。湾岸戦争後の1991年に派遣されたペルシャ湾掃海部隊の時より危険な状況下での決断となれば、日本では大きな政治問題になることは避けられないでしょう。
Writer: 宮永忠将(戦史研究家/軍事系Youtuber)
1973年生まれ、上智大学文学部史学科卒業、東京都立大学大学院人文科学研究科中退。 雑誌編集者、ゲーム会社ウォーゲーミングジャパン勤務等を経て、各種メディアにて歴史・軍事関連の執筆や翻訳、軍事関連コンテンツの企画、脚本などを手がける。Youtube「宮永忠将のミリタリー放談」公開中。





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