クルマ操作「それもタッチパネルなの!?」 物理スイッチ回帰の背景に“やりすぎ”感 猛省するメーカーも

クルマのスイッチ類がタッチパネル化するなか、フォルクスワーゲンやフェラーリが物理ボタンへ回帰する方針を示しています。先進的に見えたタッチパネルですが、操作性や安全性の観点から見直しの動きが広がっているようです。

ダッシュボードが「全面タッチパネル」のモデルも

 現代のクルマは高性能化や多機能化が進み、それらを扱う操作スイッチも増える一方となっています。これら全てを従来通りの物理スイッチでまかなおうとすれば、乱雑に並んだ無数の操作スイッチで、運転席周りは埋め尽くされてしまうでしょう。

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タッチパネルの操作イメージ(テスラ公式サイトより)

 そうしたなか、操作スイッチを美しく整理整頓する画期的なアイデアとして生まれたのが、操作系統をディスプレイ内のタッチスイッチにまとめてしまう手法です。見た目がスッキリするだけでなく、階層を重ねた設計にすれば、いくらでもスイッチを増やせるという利点があります。

 こうした“物理スイッチ排除”の先駆けだったのは、EVの革命児でもある米国のテスラでしょう。テスラが最初にやったのはエンジンスタートやパーキングブレーキの排除でした。その後はエアコンやオーディオなどのスイッチを、次々とディスプレイの中のタッチ式へ移行。そのインテリアは、まるでミニマリストの部屋のようにスッキリと美しく、何よりも新しさを感じるものでした。

 このタッチスイッチへの移行には、すぐに他メーカーも追随。ディスプレイ式のタッチスイッチは、今やすっかり内装デザインのトレンドになりました。オーディオやエアコンはもちろん、さまざまな車両モードの設定など、操作系統の多くが当たり前のようにディスプレイ式へと変わりました。

 先駆者であるテスラは昨今、クルマの前進・後退を操作するギヤ操作さえもディスプレイ内のタッチスイッチに収めてしまいました。またドイツのフォルクスワーゲン(VW)は、2022年に日本でも発売となった電動SUV「ID.4」で、タッチ式のサイドウインドウスイッチを採用。前後左右で窓が4枚あるのに対し、開閉ボタンは左右2つのみの配置であり、前後をタッチスイッチで切り替える方式となっています。

 さらに、2026年4月に世界初公開となった最新のメルセデス・ベンツ「CクラスEV」は、運転席前から助手席前までを1枚の大きなディスプレイにするという、驚くべきレイアウトを採用しました。また、かねてより「人間中心」の設計を謳ってきたマツダでさえ、まもなく正式デビューとなる見込みの新型「CX-5」で、オーディオとエアコンをすべてタッチスイッチにまとめています。

 もはや、操作系統のタッチスイッチ化は止められない潮流にも思えてきますが、一方、そんな流れに“待った”をかけるメーカーも現れ始めています。そのひとつがイタリアの名門、フェラーリです。

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