ガソリン1Lが「646円」! 世界屈指の高価格なぜ? 通行料6000円を払って給油する香港の「現実解」
世界中でガソリン価格が上昇していますが、なかでも香港は1リットルあたり約32香港ドル(約640円)と、世界屈指の価格です。現地の人々はガソリンを少しでも安く入手しようと苦心しています。
「珠海で給油する価値がある」
香港から珠海(広東省)に車で向かうときは、基本的に世界最長の海上橋「港珠澳大橋(HZMB)」を通ります。ただし、このHZMBも混乱を防ぐため、曜日よっては事前予約が必要で、かつ予約枠があり、必ず珠海に行けるわけではありません。
こういった細かな規定はあるものの、それでも「珠海に行って給油する価値がある」と友人は語ります。
「もし、香港で普通料金で給油した場合、1500香港ドル(約3万円)かかるとします。中国本土なら人民元から香港ドルに換算しても500香港ドル(約1万円)くらいです。そのため、例えば、週末にHZMBの走行枠を確保できたら、給油と買い物をまとめてすることが多いです」
HZMBの通行料金は往復300香港ドル(約6000円)ですが、これを払っても安いのです。ちなみに洗車も安いそうで、香港なら200香港ドル(約4000円)ですが、中国なら20人民元(約460円)で済むといいます。
香港人は中国に対していろいろと思うところがあるようですが、現実問題を考えると中国の物価の安さに抗うのは困難でしょう。
2025年11月には、「港車北上」の逆バージョンで広東省の車が香港に入れる「粤車南下」という制度も始まりました。これも台数制限があるなど細かな規定があるため、広東省の車は現時点ではほとんど見かけません。ガソリンも駐車料金も高いため、広東省の車が香港を走るメリットは見いだしにくく、近い将来においては、広東省の車があちらこちらで走る姿はあまり多くなさそうです。
逆に、価格差を考えると港車北上の制度を使って中国本土で給油し、合わせてショッピングや食事をする香港人はさらに増えるでしょう。香港の内需を弱めるため、香港経済を冷やしてしまいかねませんが、背に腹は代えられません。いずれにせよ、香港人カーオーナーが、なんとかガソリン代を抑えようと努力している姿は日本人のそれと全く変わりません。世界情勢に翻弄されながらも、なんとか生活防衛を図っている香港人の現実がありました。
Writer: 武田信晃
新聞記者、編集者として勤務した後、フリーランスのジャーナリストとして独立。香港と日本の政治・経済、社会などを中心取材するほか、国内外で行われているスポーツについても取材・執筆をしている。





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