日本と違う道へ… イタリアが新型空中給油機にエアバスを採用! ボーイング製KC-46Aを見限った切実な理由

現在、航空自衛隊と同じボーイング製のKC-767空中給油・輸送機を運用しているイタリアですが、KC-46Aの導入計画を撤回し、このたび新たにエアバス製のA330 MRTTを調達することを決めました。

世界最大の燃料搭載量を誇る空中給油機

 イタリアは日本と同じくボーイング製の空中給油・輸送機、KC-767を運用しています。同機は民間機B767-200ERがベースで、日本は空中給油機を増勢するにあたり、同じB767系列の発展型であるKC-46Aを採用しました。当初、イタリアも2022年にKC-46A導入の意向を示していましたが、2024年にこの調達計画を中止しました。

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NATO各国の戦闘機と共同訓練を行うイギリス軍のエアバスA330MRTT。A330MRTTは、いまや欧州のスタンダード(画像:アメリカ空軍)

 そのようななか、2026年5月19日、公の調達情報からイタリア国防省がエアバスとA330多用途空中給油・輸送機(MRTT)6機の調達契約を結んだことがわかりました。契約額は約14億ユーロ(約2,200億円)で、10年以上にわたるロジスティクス支援を含む金額となっています。

 エアバスA330 MRTTは、最大111tの燃料を搭載可能であり、これは世界の既存の空中給油機のなかでも最大級のものとなります。フライングブーム式とプローブ&ドローグ式、2つの給油方式に対応しており、F-35A(フライングブーム式)やユーロファイター(プローブ&ドローグ式)など、給油方式の異なる戦闘機を持つイタリア空軍のニーズに適応できます。

 A330 MRTTは、すでに英仏独・スペイン・オランダ・ベルギーなど各国で使用されている「欧州のデファクト・スタンダード」とでもいうべき給油機です。一方、KC-46Aは2026年5月現在、給油ブームの遠隔視認システムの不具合が解決できていないほか、燃料漏れや貨物固定装置の不具合も報告されるなどしており、運用制限が続いています。

 これらを鑑みて、イタリアは日本とは異なり、実績のあるA330 MRTTの採用に舵を切った模様です。ロシアによるウクライナ侵攻以降、欧州各国の間で防衛協力が進むなか、共通機体の導入は相互運用性の向上に大いに資するでしょう。

【写真】これがイタリアの空中給油機「ボーイング製KC-767」です

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