埼玉県の鉄道延伸「あと数マイル」計画どうなった? 実現への“それぞれの壁”と最も可能性が高い路線
埼玉県が掲げる「あと数マイル・プロジェクト」は、東京都内の鉄道4路線を県内へ延伸する構想ですが、コロナ禍もあり、計画は当初の想定通りには進んでいません。現状と課題を確認します。
4路線それぞれにある延伸の「壁」
多摩都市モノレールは上北台~箱根ケ崎間、多摩センター~町田間、多摩センター~八王子間の3区間が答申に登場しますが、埼玉県への延伸計画はありません。あと数マイル・プロジェクトでは上北台から分岐、または箱根ケ崎から北上を想定しています。いずれも県境まで2~3kmなので、まさに「あと数マイル」です。
日暮里・舎人ライナーに公式の延伸計画はありませんが、終点の見沼代親水公園駅から250mも歩けば埼玉県草加市です。あと数マイル・プロジェクトでは北、北東、北西の3方向への延伸を検討しています。
しかしこれらの計画にはそれぞれ問題があります。8号線は総延長が30.5km、2016年時点の概算事業費が5800億円に達するなど事業規模が大きく、事業採算性に大きな課題があります。沿線自治体は近年、八潮~野田市間を先行整備し、八潮からつくばエクスプレスへの乗り入れを目指しており、計画の方向性が定まっていません。
多摩都市モノレールの上北台~箱根ケ崎間延伸は2025年11月に事業認可を受け、2034年度の開業に向けて整備着手しました。しかし埼玉方面の延伸想定地域は多くが市街化調整区域で、人口密度も低い地域が多いため、採算が取れません。
モノレールは導入空間となる高規格の道路が必要であり、上北台~箱根ケ崎間延伸も同区間の道路整備が進んだことで実現しました。埼玉方面への延伸は導入空間の確保が必要です。上北台から北上する場合、同駅で立体交差できるよう構造を変更する必要があり、水源地である多摩湖の横断方法を検討しなければなりません。
最大の問題が日暮里・舎人ライナーです。新交通システムもモノレールと同様、道路に導入空間が必要です。同線が走る都道58号線・県道104号線は見沼代親水公園駅から鳩ヶ谷方面に伸びており、道路を拡幅しなくても建設できそうに見えます。それ以外の方向に延伸する場合は導入空間の確保が必要です。
しかし最大の問題は混雑です。日暮里・舎人ライナーは今や日本で最も混雑する路線となり、埼玉県からの新しい乗客を受け入れる余地がないのです。埼玉県内に車両基地を新設したとしても、線路構造や信号システムの制約から、大幅な増発は困難です。





東京と埼玉をつなぐ鉄道はもう十分
埼玉県民の生活には東西縦断鉄道が必要だ
例えば、秩父ー小川町ー上尾ー春日部を結ぶとか
とにかく埼玉には横線こそが必要