「昭和生まれの電車」一番多く残る私鉄は? 大手16社を比較したら“西高東低”だった
令和の現在、その数を減らしている昭和生まれの電車。大手私鉄16社で保有車両に占める割合を調査したところ、関西と関東で大きな差が見られました。
昭和の電車が多い会社は?
調査の結果、「登場年が昭和」の現役車両を保有する割合が最も大きいのは阪急でした。次いで近鉄、南海と近畿の事業者が続きます。阪急・近鉄とも昭和生まれの車両が5割近くを占めました。関東トップは4位の東武でした。
先の通り、平成生まれの昭和の電車を除いた「製造年が昭和」の現役車両を計上した場合は、順位が入れ替わります。
「製造年が昭和」の現役車両の割合が最も大きいのは、近鉄でした。次いで阪急・南海と続き、九州の西鉄が4位でした。5位の京阪に続き、関東は6位の東武が最上位でした。
近鉄は、現在の「アーバンライナープラス(plus)」こと21000系の初期の車両や、2階建ての「ビスタカー」こと30000系が、一般車両だとマルーンに塗られた車両の大半が昭和生まれです。
南海は、特急「サザン」の指定席で使用される10000系や、自由席車両として使用される7100系、高野線で銀色を復刻した6000系など、昭和生まれの電車が多数あります。
阪急は、フルマルーンを復刻した6000系や7000系、嵐山線で使用されているクロスシート車両の6300系などが昭和生まれです。
東武は、越生線や野田線(東武アーバンパークライン)などを走る8000系が昭和生まれです。地下鉄有楽町線対応の9000型と、ステンレス車両の10000系一族などが昭和と平成にまたがって造られています。
なお、「SL大樹」の車両は全車両が昭和生まれですが、ディーゼル機関車以外は東武博物館が保有する車両のため除いています。
上位に登場した西鉄は、天神大牟田線の主力車両の5000形の大部分と、貝塚線で使用されている600形が昭和生まれです。
京阪は、塗装を復刻した2200系などが昭和生まれで、アルミ車体を採用した6000系が昭和から平成にかけて製造されました。また、琵琶湖沿いの大津線(石山坂本線)で使用されている600形も昭和生まれです。
近畿の大手私鉄のうち、昭和生まれの車両の割合が最も小さいのが阪神です。阪神8000系が昭和から平成にまたがって製造されています。





わかりにくい
関東私鉄では車両更新より新型車両を入れた方がコスト安になると言う事情があるんでしょう。
関東の私鉄は相互乗り入れが多く、相互乗り入れが少ない関西の私鉄よりも、長時間連続運転しているから、車両にガタが来るのも早いので、結果、関西の私鉄の車両のほうが、長生きしている。
阪急電鉄が際立って昭和の車両が多いのには、1995年1月17日に起きた、阪神・淡路大震災で神戸線を中心に線路施設の大規模損壊があり、車両更新のための資金が限られたことが大きいでしょう。また歴史的経緯により神戸線・宝塚線の車両限界よりも京都線の車両寸法が大きく、京都線の車両を回すということができなかったのもありました。同じく線路施設・車両基地ともに甚大な被害を受けた阪神電気鉄道では、車両も多数被災したために新造ぜざるを得ず、結果的に車歴が若返りしました。さらに阪神電車では近鉄との相互乗り入れのための車両製造に迫られたのも経年の浅い車両が多くなる要因となりました。
在阪大手私鉄は、いずれも車両検修には定評があり、京阪電気鉄道や阪急電鉄の車両は50年選手の車両でも新品同様の座席モケットによく整備された走行装置といった、「とことんまで使い倒す」企業風土があります。東京のように地下鉄を介した広域の相互直通運転がなされなかったことから車両限界を揃える動きはほぼ無く、高度成長期の乗客急増とて首都圏ほどではなかったことから旧い車両をかき集めて輸送力を確保できたことから(特に架線電圧昇圧を控えた近鉄奈良線の、車両長もドア数もバラバラの編成)、小刻みに新車を投入することとなり、結果として車両の長寿命化が図られたようです。