「昭和生まれの電車」一番多く残る私鉄は? 大手16社を比較したら“西高東低”だった

令和の現在、その数を減らしている昭和生まれの電車。大手私鉄16社で保有車両に占める割合を調査したところ、関西と関東で大きな差が見られました。

昭和生まれが「実質0」の大手私鉄は?

「登場年が昭和」「製造年が昭和」の割合がいずれも小さいのが関東の大手私鉄です。最も割合が小さいのが相鉄ですが、該当する4両は事業用のため、昭和生まれの車両は実質0となりました。

「登場年が昭和」だと、下位から相鉄・東急・東京地下鉄(東京メトロ)・京王・京急と関東の大手私鉄の名前が続きます。いずれも、昭和生まれの車両の割合は2割を切っています。

「製造年が昭和」だと、相鉄・東京地下鉄・京急・東急・西武・京王の順となりました。下位の会社だと昭和生まれの車両の割合は1割を切っています。

 東京地下鉄は、半蔵門線の8000系と東西線の05系が昭和と平成にまたがって造られました。8000系が残り2本となった一方、05系は多数が残っていますが、大半は「平成生まれの昭和の電車」です。昭和生まれの05系は最初の3編成だけで、2026年現在は千代田線の分岐線(綾瀬~北綾瀬間)向けに転用された6両だけが残っています。このため、「登場年が昭和」と「製造年が昭和」で、割合が大きく異なります。

 京急は、1500形が昭和と平成にまたがって造られました。事業用車も平成に改造された車両がありますが、改造元の車両が昭和生まれということで、昭和生まれの車両に含めています。

 西武は、西武多摩川線などを走る101系が昭和生まれです。また、西武秩父線などを走るクロスシート車両の4000系が昭和と平成にまたがって製造されています。

 京成は、3500形が昭和生まれです。3600形と元新京成の8800形が昭和と平成にまたがって造られましたが、昭和生まれの3600形は芝山鉄道にリースされ、京成から昭和生まれの3600形がなくなっています。

 京王は、7000系が昭和と平成にまたがって造られています。

 小田急は、8000形が昭和生まれで、1000形が昭和と平成にまたがって製造されています。小田急8000形は「サステナ車両」として西武に譲渡されていますが、西武のサステナ車両も大半が昭和生まれです。

 上位でも下位でもないのが名鉄です。数々の復刻塗装が施された6000系が昭和生まれ。6000系に次いで登場した4両編成の6500系と2両編成の6800系が、昭和と平成をまたいで製造され、平成生まれの車両ではデザインが変わっています。また、「パノラマスーパー」こと展望席付き特急車両の1000系も昭和と平成にまたがって製造されましたが、1200系として現存する車両は平成生まれです。

 全体として、近畿の大手私鉄では昭和生まれの車両が多く残り、関東では少ないという「西高東低」となりました。各社とも、新車の導入によって昭和生まれの車両の引退が進んでおり、淘汰はさらに進む見込みです。

【写真】ずらり「昭和の電車」たち

Writer:

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

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コメント

4件のコメント

  1. わかりにくい

  2. 関東私鉄では車両更新より新型車両を入れた方がコスト安になると言う事情があるんでしょう。

  3. 関東の私鉄は相互乗り入れが多く、相互乗り入れが少ない関西の私鉄よりも、長時間連続運転しているから、車両にガタが来るのも早いので、結果、関西の私鉄の車両のほうが、長生きしている。

  4. 阪急電鉄が際立って昭和の車両が多いのには、1995年1月17日に起きた、阪神・淡路大震災で神戸線を中心に線路施設の大規模損壊があり、車両更新のための資金が限られたことが大きいでしょう。また歴史的経緯により神戸線・宝塚線の車両限界よりも京都線の車両寸法が大きく、京都線の車両を回すということができなかったのもありました。同じく線路施設・車両基地ともに甚大な被害を受けた阪神電気鉄道では、車両も多数被災したために新造ぜざるを得ず、結果的に車歴が若返りしました。さらに阪神電車では近鉄との相互乗り入れのための車両製造に迫られたのも経年の浅い車両が多くなる要因となりました。

    在阪大手私鉄は、いずれも車両検修には定評があり、京阪電気鉄道や阪急電鉄の車両は50年選手の車両でも新品同様の座席モケットによく整備された走行装置といった、「とことんまで使い倒す」企業風土があります。東京のように地下鉄を介した広域の相互直通運転がなされなかったことから車両限界を揃える動きはほぼ無く、高度成長期の乗客急増とて首都圏ほどではなかったことから旧い車両をかき集めて輸送力を確保できたことから(特に架線電圧昇圧を控えた近鉄奈良線の、車両長もドア数もバラバラの編成)、小刻みに新車を投入することとなり、結果として車両の長寿命化が図られたようです。

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