腕利きパイロット、あえて“縛りプレイ”! 戦闘機150機持つナゾの民間会社の意外すぎる仕事内容とは
世界の空軍では訓練で敵役を演じる専門部隊が存在しますが、その役割を民間企業が請け負う「民間アグレッサー会社」があります。カナダのトップエイセス社は世界で初めて民間でF-16戦闘機を運用し始めた会社として有名ですが、どのような人々が操縦しているのでしょうか。
民間人でも戦闘機操縦の技量が生かせる仕事
アグレッサー業務で飛行するパイロットには、高い操縦技量はもちろんのこと、軍の要求を理解して、その敵役を演じられる能力も求められるのです。
「業務において我々は主役ではありません。それは訓練に参加する空軍のパイロットであり、我々はより良い訓練を提供するために存在しています」(トップエイセス社員)。
戦闘機パイロットという職業は、これまで軍を退役すれば、その経験を活かせる場は航空会社や教育分野など限られていました。しかし、民間アグレッサー会社の登場によって、何千時間もの飛行経験や戦術知識を持つベテランたちが、再び軍の訓練を支える側として空を飛び続ける道が生まれています。
ちなみに、現在のトップエイセスは、F-16での請負業務はアメリカ国内でのみ行なっていますが、それ以外にも欧州やカナダなどでも業務を行なっています。あくまでも仮定の話ですが「日本の航空自衛隊と契約が成立した場合、日本人の戦闘機パイロットを雇用する可能性はありますか?」と聞いたところ、同社の社員は次のように答えてくれました。
「もし航空自衛隊と契約し、アグレッサー役として我が社が支援することになれば、我々は航空自衛隊にこう聞くでしょう。『日本人の元戦闘機パイロットを使いたいですか? それとも海外パイロットを連れてきますか?』と。つまり、それはクライアント次第です。我々の世界中で行なっている契約では、自国のパイロットを望む国もあれば、そうでない国もあります。」(トップエイセス社員)。
そして、最後にこう付け加えてくれました。「多くの空軍の出身者は、退役後も心の奥底では今でも空軍軍人であり、自国軍の支援をしたいと思っています。彼らがそうできるように、我々は別の道を提供しているのです」(トップエイセス社員)。
軍を退役したあとも、空を飛び続ける。そんな戦闘機パイロットの新しい働き方が、海外では少しずつ広がっています。民間アグレッサー会社は、最新戦闘機を支える訓練インフラであると同時に、ベテランたちの経験を次世代へ受け継ぐ場にもなっているようです。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info





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