「もはや走るスイート…」私鉄特急の“豪華すぎる座席たち” 進化の歴史と「JR超え」の頂上決戦
JRにグリーン車があるように、私鉄特急の一部にも上級クラスの座席が存在します。いずれも豪華な設備が特徴です。私鉄特急の上級クラスについて紹介していきます。
歴史を変えた近鉄「しまかぜ」
そして2013(平成25)年、私鉄特急の歴史を動かすほどの豪華車両が出現します。近鉄50000系「しまかぜ」です。通常の座席が「プレミアムシート」で、座席間隔は1250mm。白い革製で、新幹線グリーン車以上の抜群の居住性でした。
「しまかぜ」は洋風個室、和風個室、グループ席も設けられました。個室は現在も予約困難なほど人気です。温かい食事が楽しめる「カフェ車」も連結しており、2026年現在も昼行特急で最高レベルのサービスを誇ります。
2014(平成26)年に富士急行は、8000系「フジサン特急」の1号車を特別車両とし、展望スペースを設置しました。そして2016(平成28)年には8500系「富士山ビュー特急」を登場させます。1号車はカフェのような内装の特別車。列車によっては極上のスイーツも楽しめる空間です。
2020年に近鉄が登場させたのが、80000系「ひのとり」です。編成の両端が「プレミアムシート」で、座席間隔1300mm。革製の電動リクライニングシートが1+2列の配置で並ぶ豪華な仕様です。デッキ部分には「カフェスポット」と称する、挽きたてコーヒーなどを提供する自販機があります。車両基地で電源を落とす鉄道車両では、自動販売機の品質管理が難しいにもかかわらず、その問題をうまく解決した設備です。
近鉄は2022年にも観光特急「あをによし」を登場させます。通常座席が1+1列で向かい合わせの固定式クロスシートという豪華仕様に加えて、特筆すべきは2号車に設けられた3~4人用半個室「サロンシート」です。JRも含めた歴代特急車でも最大級の側窓を設置し、ゆったりとしたソファで至福の時間を過ごせます。
2023年、東武がハイグレード車両を登場させます。N100系「スペーシアX」です。1号車は展望ラウンジの「コックピットラウンジ」。飲料を楽しみつつ、上質なカフェにいるような時間を過ごせます。2号車は座席配置1+2列の「プレミアムシート」。バックシェル付きのリクライニングシートを備えています。
6号車は定員4人の「コンパートメント」と、定員7人の「コックピットスイート」です。特に「コックピットスイート」は運転席の後ろで、車両幅いっぱいの空間を独占できることから、瞬時に売り切れるほどの人気です。
「コックピットスイート」は私鉄特急の頂点というより、JRも含めた昼行特急の頂点ともいうべき超豪華設備で、今後の上級クラスの指標でもあると感じられます。座席鉄の筆者としては、上級クラスのさらなる進化を期待します。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。





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