大きな脅威になったドローン兵器 防衛企業大手が考え出した対抗策は極めてシンプルなものだった!? 脚光を浴びた武装とは?

ドローンを高価な対空ミサイルで迎撃するのは費用対効果が悪く、「確実かつ安価な迎撃手段」の獲得が新たな課題となっています。この解決策にひとつをラインメタルが提案しました。

最新技術を駆使しても「最後は撃ち抜く」のが最も確実だった

 2026年現在、世界各国の防衛企業では、ドローンに対抗すべく、ジャミングやGPS妨害、レーザー兵器など様々な迎撃手段が開発されていますが、それぞれ弱点があります。担当者はレーザーについて、「(現状では)撃墜するまで数秒間照射し続ける必要があり、その間は別の目標へ対応できない」と説明しました。また、雨や霧などの悪天候では性能が低下し、レーザー照射のための大型の電源設備や発電装置も必要になります。

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アメリカ軍の一方向ドローン「LUCAS(ルーカス)」。いわゆるシャヘド型の自爆ドローンと言われる「群れ(スウォーム)」での地上攻撃を前提とした兵器(画像:アメリカ国防総省)

 さらに近年増えている複数機による「スウォーム攻撃」では、「群れで飛来した場合、それがレーザーの問題になる」とも話しており、一度に多数のドローンへ対処する難しさを指摘しました。

 そこでラインメタルが最後の防衛ラインとして選んだのが、毎分3000発という圧倒的な発射速度を持つガトリングガンです。レーダーと光学センサーで目標を捕捉し、AIによる画像認識で目標を追尾しながら、100発程度の短いバースト射撃で弾幕を形成し、接近するドローンを物理的に撃ち抜くという考え方です。

 もっとも、RCWS 320C-UASだけですべてを守るわけではありません。ラインメタルが構想する「Last Line of Defence」は、多層防御の最終段階です。遠距離ではレーダーや各種センサーで脅威を探知し、電子妨害やレーザーなどで可能な限り対処する。同社ではより大口径の対空迎撃システム「スカイレンジャー」も開発しており、これら防御網で防ぎきれなかったドローンに対して、最後の迎撃手段として存在するのがこのシステムなのです。

 実際にウクライナの戦場では、時代遅れと思われた、ゲパルト自走対空砲の機関砲がドローン撃墜で、大きな注目を浴びたり、DShK38重機関銃やブローニングM2重機関銃を搭載したトラックなどが対空防衛任務をしている姿などが見られ、同国国防省が撃墜動画などをSNS上に公開し、その有効性をアピールしているケースなどがあります。

 安価な兵器を高性能である兵器を併用しながら戦闘を実施する、ハイローミックス化が戦場で進むなか、最先端技術と防衛戦術を追求した結果、最後の防衛手段として選ばれたのは、昔ながらの「銃撃」でした。「物理的に障害や脅威を撃ち抜く」という極めて古典的な方法が現在でも通用するということを証明しています。

【画像】意外と簡素な設備? これが、対ドローン機関銃の実物大模型です

Writer:

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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