英国生まれの名機「ハリアー」がアメリカで“劇的進化”遂げたワケ 垂直離着陸性能を激変させた「小さな板」の正体
燃料や爆弾の搭載量を爆増させた、ある工夫により「ハリアーII」は半世紀にわたり海兵隊を支える歴史的戦闘機へと変貌しました。
機体下の空気を“抱え込む”設計
初代「ハリアー」を開発したのはイギリスのホーカー・シドレー社でしたが、「ハリアーII」はアメリカで誕生しました。アメリカ海兵隊は「ハリアー」の運用経験から、その優れた展開能力を高く評価していましたが、航続距離と兵装搭載能力の不足には不満がありました。そこでマクドネル・ダグラス社のもとで、大幅な空力設計の見直しによって性能向上を図ることになったのです。
「ハリアー」と「ハリアーII」は、全体の外見、そして「ペガサス」エンジンを中心とした基本構成も大きくは変わりません。しかし機体を細かく見ると、その違いは一目瞭然です。
開発陣が着目したのは「ハリアー」特有の「ジェット噴流が地面に当たる現象」でした。垂直離着陸時、エンジンから噴射された高温高圧の気流は地面に衝突して四方へ広がります。この空気が機体下面に再び流れ込むことで圧力が高まり、一種のクッションを形成します。
「ハリアーII」では主翼を拡大し、そして胴体下には“遮風板”を設けることで噴出した空気を抱え込み、この効果を積極的に利用する設計が採り入れられたのです。





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