大和型戦艦はホントに「三馬鹿」なのか!? 各国主力戦艦との建造費を比較したら思わぬ結果が!
当時の金額で1億3551万円の巨費が投じられた大和型戦艦は、その規模から無駄遣いの象徴として扱われることがあります。でも、各国の建造費を並べてみると意外な事実が浮かび上がります。
ドイツ・フランスの戦艦はさらに高額!
フランスはダンケルク級戦艦が約7億フラン(2.1億円/1トンあたり7900円)、リシュリュー級戦艦が約20億フラン(6億円/1トンあたり1万6000円)とされています。
リシュリュー級は建造ドックの関係で、いったん船体を分割してから、結合というややこしい建造方法が取られていますが、それでもダンケルク級と比較しても高すぎるので、単艦の純粋な建造費というより、兵装・艤装・戦時混乱、あるいは2番艦ジャン・バールの戦後完成に関わる費用まで含んだ数字である可能性があります。
客船のノルマンディーは6.15億フラン(1.84億円/1総トンあたり2300円)です。ダンケルク級戦艦は1トンあたりでノルマンディーの3.4倍程度の建造費ですから、ノルマンディーが客船としては高いとも言えます。
フランスと地中海の覇権を争ったイタリアは、ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦が推定8億リラ(1.8億円/1トンあたり4400円)、客船のコンテ・ディ・サヴォイアは1500万ドル(6400万円/1総トンあたり1320円)程度で、3.3倍程度。フランスと同じ程度です。排水量の大きさを考えても、イタリア戦艦は比較的安いようです。
ドイツは基準排水量1万2100トンのポケット戦艦アドミラル・グラーフ・シュペーの時点で8200万ライヒスマルク(1.4億円/1トンあたり1万1600円)。単純比較はできませんが、6万4000トンの大和型戦艦の1.36億円よりも高いのです。シャルンホルスト級戦艦が1億4350万ライヒスマルク(2.45億円/1トンあたり7600円)、ビスマルク級戦艦が1億9680万ライヒスマルク(3.36億円/1トンあたり8100円)と、ドイツ戦艦はアメリカ戦艦並みの高額です。
客船のブレーメンは6500万ライヒスマルク(1.11億円/1総トンあたり2150円)。シャルンホルスト級は1トンあたり3.5倍、ビスマルク級は3.8倍と客船と比べて戦艦が非常に高額と言えます。
第一次世界大戦前までは、ドイツ戦艦はイギリス戦艦と大差ない価格でしたから、第二次世界大戦のドイツ戦艦が高額なのです。これは、何らかの政策的要因で実工費以上に高く計上されていたものと考えられます。当時の円やライヒスマルクは統制経済下にあったことや、貨幣の実力と相場が合っていなかったこともあるでしょう。





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