大和型戦艦はホントに「三馬鹿」なのか!? 各国主力戦艦との建造費を比較したら思わぬ結果が!
当時の金額で1億3551万円の巨費が投じられた大和型戦艦は、その規模から無駄遣いの象徴として扱われることがあります。でも、各国の建造費を並べてみると意外な事実が浮かび上がります。
建造費の背景に人件費や物価水準など多様な理由
ここまで見てきたなかで大和型戦艦(1.36億円)より安い戦艦は、イギリスのキング・ジョージV世級の1.27億円だけです。意外な結論ですが、なぜでしょう。
その理由を一つに断定することはできませんが、各国の賃金・物価水準、軍艦建造費の計上範囲、国家統制下の価格、公定為替の違いが、数字に大きく影響していた可能性があります。
当時の日本の人件費の安さや、国家による価格統制を考慮に入れたとしても、6万4000トンの大和型戦艦は各国の3万5000トン級新型戦艦よりもかなり安上がりな戦艦だったとも言えるでしょう。
現代のスターバックスやマクドナルドが、時給だけ見ればアメリカは日本の数倍であるものの、物価そのものが数倍高いという具合に、賃金・物価水準が影響を与えたものなのでしょう。それでも、ドルベースで考えるなら、大和型戦艦が約3200万ドル、ノースカロライナ級が7690万ドルですから、日本が倍額で大和型戦艦を輸出しても、それでも大和型の方が安いとも言えます。
以上のように、単純な建造費を比較すると大和型戦艦は決して高額な戦艦とは言えません。しかしそれは、生産国の賃金・物価・為替などの影響を受けたものでもあります。戦艦という巨大兵器にも、そうした国ごとの事情が価格差として表れていたと言えるでしょう。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。





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