米F-15C、早期退役か? 空自主力機と同型 背景に厳しい台所事情

早期退役のもっともな理由とその否定材料になる驚きの現状

 これまでF-15は強敵が予想される空域において、ここぞというときの「切り札」として実戦投入されてきました。しかしながらF-15Cがいくら強いとはいっても、アメリカ空軍にはすでにF-15Cを圧倒する空中戦性能を誇るステルス戦闘機F-22「ラプター」が200機近く配備されており、また昨年からは最新鋭のF-35A「ライトニングII」の配備が開始されるなど、F-15の「切り札」としての価値は相対的に失われてしまっています。

 それならば、多少は性能に劣っても空中戦から対地攻撃まであらゆる任務をこなせる「マルチロールファイター(多用途戦闘機)」であり、しかも維持費のかからないF-16に置き換えたほうが予算を圧縮できます。そして浮いた費用をF-35Aなど別の用途に使えば総合的に見て空軍の能力は向上することが見込めます。

 現在F-15Cの平均年齢はすでに30歳に達しており、2017年にはついに1万飛行時間に到達した最初の機体もあらわれました。F-15Cは開発当初4000飛行時間(20年の運用に相当)の耐久性が求められ、最終的には8000飛行時間の寿命があたえられました。ところが極めて頑丈な機体は設計値を倍上回る1万6000飛行時間の寿命を実現できることが見込まれています。ゆえにもっとも酷使した1万飛行時間達成機でさえ、あと30年は使える寿命が残されている計算になります。

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コメント

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3件のコメント

  1. もし本当に早期退役するなら
    十数機ほど日本が貰っていくといいな
    日本は長いこと使うだろうし部品が不足する前に部品取りにできれば日本のイーグルも長持ちするだろう

    • 多分無理。もともと部品取りでは使えない電子機器を別としても、実戦で酷使された上に細かい部品の設計が違うアメリカ空軍機の部品が日本のライセンス機にすんなり収まるとは思えないし、残存寿命も期待できない。逆パターンとして海上自衛隊を退役したMH-53Eがアメリカ海軍の同型機の予備部品として売却されたが、あれはもともとシコルスキー社で生産された機体(川崎重工でのライセンス生産ではない)のためにアメリカ軍機との部品共有に何の問題もないのと、日本で整備された結果。

  2. 老朽化で維持費がかさむからでは?
    あと30年持つといっても、改修費は掛かるだろうし。
    F16みたいに標的機にされるかも。