東京メトロら熊電「青ガエル電車」走らせる 復興応援で工夫(写真70枚)

東京メトロらが、熊本に唯一残る元・東急5000系電車「青ガエル」の運転会などを実施しました。その背景には、ある「ねらい」のための工夫が。ちなみにこの「青ガエル」、手なずけるのはちょっと難しいかもしれません。

唯一の動ける「青ガエル」を運転

 東京メトロと熊本電鉄、ANA(全日空)が2017年5月13日(土)、元・東急電鉄5000系電車の運転会などを実施しました。5000系は、渋谷駅のハチ公口に保存されている緑色の、「青ガエル」とも呼ばれている電車です。

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元・東急電鉄の熊本電鉄5000形(左)と、元・東京メトロの01形。どちらも「渋谷」に深いゆかりがある(2017年5月13日、恵 知仁撮影)。

 3社が2016年11月から翌年3月まで開催したイベント「乗るばい!飛ぶばい!楽しむばい! 東京×熊本スタンプラリー」。その賞品のひとつ「熊本電鉄スペシャル体験」として実施されたものです。

 1954(昭和29)年から製造された元・東急5000系「青ガエル」。現在も動ける状態で残っているのは、この熊本電鉄に残る1両のみ(営業運転には使用されていません)。およそ20名の当選者が運転席に座り、名車「青ガエル」最後の1両の運転を楽しみました。

スタンプラリーの仕組みを工夫 ある「目的」のために

 いったいなぜ東京メトロと熊本電鉄、ANAが「青ガエル」の運転イベントを行ったのでしょうか。そもそもなぜ、このような組み合わせでスタンプラリーを行ったのでしょうか。東京メトロによると「2016年の地震で大きな被害を受けた熊本を応援するため」といいます。

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熊本電鉄に唯一残る、いまなお動ける「青ガエル」。
熊本に行っても、車内に「渋谷」が残る「青ガエル」。
「青ガエル」の運転席。2枚の窓が印象的。

 このスタンプラリーにおける目玉商品は、先述の「熊本電鉄スペシャル体験」と、東京メトロの普段は入れない場所へ行ける「東京メトロシークレットツアー」。熊本電鉄のほうに当選した人は、熊本を訪問する動機が生まれます。そして「東京メトロシークレットツアー」は、応募要件が熊本に置かれたスタンプを押し、東京~九州間のANA便に往復搭乗すること。つまり、熊本に行かないと応募できません。

 東京メトロによると、スタンプラリーをこうした仕組みにすることで、いまだ復興途中である熊本に人々が訪れ、そこにお金が落ちるようにしたとのこと。およそ1万1000人がこのスタンプラリーに参加したそうです(「東京ステージ」、もしくは「熊本ステージ」をクリアした人数の合計)。

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往時の雰囲気が残る熊本電鉄「青ガエル」車内。
「青ガエル」の運転台。
01形電車にある熊本電鉄のマーク(上)と東京メトロのマーク。なにやら……。

 ちなみに熊本電鉄では、元・東京メトロ銀座線の01形電車が“第2の人生”を送っており、「熊本電鉄スペシャル体験」では「青ガエル」の運転ほか、01形電車の運転台見学なども行われました(01形は東京メトロ時代、01系という名称)。

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3件のコメント

  1. 臨時でいいので動かし続ければ金になるよ熊本電鉄。
    保守費用、手間に見合う収入源にはなるよ。

    検討を。

  2. 北熊本駅の改札口にいる謎のカエルは実は、製薬会社「コーワ」の 「ケロちゃん」です。

  3. 素晴らしい。日本各地の懐かしい車両がいつまでも熊電で活躍する事を願っています。