自動車メーカー×IT企業、蜜月のワケ AIやコネクテッドと未開市場、そして「その先」

自動運転だけじゃない、IT企業がクルマに参入するワケ

 自動車メーカーとIT企業が接近している最大の理由は、「クルマの自動運転」です。高度な自動運転を実現させるためには、AIや「コネクテッド」といった技術が必須となります。そうしたものの開発には、機械の専門家である自動車メーカーよりもIT系企業のほうが得意なのは当然のこと。そうなれば、いっそタッグを組んで開発を行った方がいいという判断が、昨今の風潮の理由と言っていいでしょう。

 また、IT系企業にとっても自動車産業は魅力的です。なんといっても自動車は、この先、何十年も成長が認められる産業です。わずかな時間でアメリカを抜いて、世界一の自動車市場に成長した中国のようなエリアが、世界にはまだまだ存在するからです。

Large 170624 it 02
2017年2月より稼働開始した、スズキのインドにおける100%子会社、スズキ・モーター・グジャラート社の工場。「バレーノ」の生産拠点(画像:スズキ)。

 中国に負けず劣らず人口の多いインドでも、自動車の本格的な普及はこれから。アセアンも地域全体をあわせれば、人口は6億人以上で、その市場の成長が認められています。その先には、中南米やアフリカといった、将来有望な地域が控えます。そうした地域にクルマが行き渡るまで、自動車産業の成長は止まりません。

 そうした鉄板の成長業界に、IT系企業も参入したいというのが本音でしょう。インテルが最近、自動運転において重要な画像処理技術および自動車メーカーとのコネクションを持つモービルアイ社(イスラエル)を買収したのも、自動車業界への参入が狙いであることは間違いないでしょう。

この記事の画像をもっと見る(4枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。