駅改札でテレビニュースを放映 NHKと契約、東日本大震災を機に拡大

駅の改札付近に設置されている液晶ディスプレイは、普段は列車の運行情報などを知らせています。しかし大規模災害時には、NHKニュースを放映することも。東日本大震災を契機に、このような体制づくりが進んでいます。

普段は運行情報などを表示しているが…

 駅の改札付近に設置された大型ディスプレイでNHKのニュースが放送されているのを見かけたことはあるでしょうか。普段は列車の運行情報や各社のお知らせを放映しているこの画面は、大きな災害が発生した際にはさながら街頭テレビのようにニュースを報じています。2018年6月18日(月)の朝に発生した大阪北部地震のニュースを駅で目にした人もいると思います。

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普段は列車の運行状況や自社沿線の情報などを表示している改札の液晶ディスプレイ。写真はイメージ(2018年6月、草町義和撮影)。

 NHKが災害時に放映する緊急のニュースを「非常災害時緊急放送」といいます。JR東日本、JR西日本、東京メトロ、都営地下鉄、京成電鉄、小田急電鉄などの鉄道事業者では、自社の案内用ディスプレイでこの放送を放映できる契約を締結しており、これに基づいて放映しています。

 こうした取り組みは、実は10年以上前から始まっており、たとえばJR東日本は2006(平成18)年から主要駅の改札付近に運行情報案内用の大型ディスプレイを設置開始するにあたって、NHKと大規模災害発生時の報道番組放送契約を締結しています。ただこのころ実際に緊急放送が放映された事例はほとんどなく、本格的に活用されるようになったのは2011(平成23)年3月の東日本大震災以降のことです。

 東日本大震災にあたっては首都圏でも鉄道が長時間にわたって運転を見合わせ、多くの帰宅難民が発生しました。駅で足止めされた利用者は、家族の安否を心配して、断続的に発生する余震や各地の被害状況などの情報を確認しようと、携帯電話やスマートフォンのバッテリー残量を気にしながらニュースサイトやSNSをチェックしていました。

 このような情報が不足した状況では利用者に落ち着いた行動を促すことは難しく、また無用の混乱を生じさせかねません。そこで東日本大震災の教訓のひとつとして、NHKの非常災害時緊急放送を放映して、災害に関する情報を迅速に伝えることになりました。

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コメント

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3件のコメント

  1. もちろん受信料をモニタ毎に徴収してるんだろうな?
    普段はNHK流さないからって優遇してたら許さない。

    • 我々の支払った運賃が一部とは言えNHKの懐に入ると思うと腹が立ちますね

  2. 東日本大震災発生当時、浦和駅近くの小学校で夜を明かして翌朝に駅に行ったらNHKの放送を流していた理由が分かりました。駅に集まった人達みんなで観続けていたのを今でも憶えています。東日本大震災の発生前から契約を結んでいたんですね。