英新戦闘機「テンペスト」は完成するか 国際共同開発の苦い過去 F-2後継の目も?

紆余曲折どころではないユーロファイター「タイフーン」

 もともとACAはパナビア「トーネード」の開発を成功させたイギリス、ドイツ、イタリアの3か国による研究開発プロジェクトでした。開発費はイギリスが半分を負担し、残る半分をドイツとイタリアが折半する予定だったものの、ところがドイツとイタリアは開発費を出し渋ります。

 いつまでたっても何も決まらない状況に業を煮やしたイギリスは、ACAの開発費を全額自国負担することを決意。それ以降の動きは早く、ファンボローでのACAお披露目の翌1983(昭和58)年には実機開発計画「試験飛行機プログラム(EAP)」がスタートし、EAPは1986(昭和61)年に初飛行しました。

 EAPはあくまでも技術デモンストレーターではあったものの、一見すると「タイフーン」によく似ており、その完成度は極めて高いものでした。EAPは1991(平成3)年5月までに259フライト、195飛行時間の試験を成功裏に終えます。

 そしてこのEAPが、10年以上にわたり何も進展の無かった次世代戦闘機の国際共同開発を救うことになります。誰も主導できない、だれも責任をとれない「国際共同開発病」による机上のプランよりも、すでに「かたち」になっていたEAPには他国を黙らせる説得力があったのです。

この記事の画像をもっと見る(3枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

2件のコメント

  1. う~ん、トーネードも成功したといえるほど”成功”してるとはいえないし、ACAもフランスの後にラファールになる機体のクラスとエンジンとで揉めているからなぁ。

  2. 英対欧州連合の軍事衝突にならんかな