内戦中のウクライナ、主力機が国を空けて曲技飛行のナゼ 英航空ショーへ空軍機派遣

ウクライナが、主力戦闘機を英国で行われた航空ショーに派遣しました。空戦の要たる戦闘機が、内戦中に国を留守にすることになったわけですが、もちろんそこには大きな理由があってのことです。

ウクライナ機、英国の空を飛ぶ

 2018年7月13日から15日にかけて、イギリスのフェアフォード空軍基地において世界最大規模のエアショーとして知られる「RIAT(ロイヤル・インターナショナル・エアタトゥー)」が開催されました。

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「RIAT」にて、卓越したパワーと高度な飛行制御システムが実現する高機動性を発揮する、ウクライナ空軍主力戦闘機Su-27P(関 賢太郎撮影)。

「RIAT」は毎年7月に実施しており、1日あたり8時間以上もの飛行展示プログラムが組まれ、どんな熱心な航空マニアでさえ「苦行」に感じるほどの充実ぶりから、日本人ファンからも根強い人気があります。今年はホスト国であるイギリス空軍の創立100周年記念イベントもあわせて実施され例年以上の規模となりました。

 2018年の「RIAT」に参加した各国の軍用機のなかにあってひときわ注目を集めた機種が、ウクライナ空軍のスホーイSu-27P戦闘機であったと言えるでしょう。ほかの戦闘機ではなかなか見られない、空中停止から尾部にむけて落下する「テイルスライド」機動など高い飛行性能を披露しました。またイリューシンIl-76大型輸送機、アントノフAn-2小型輸送機も同時に地上展示されました。

「RIAT」のような西欧のエアショーにおいて旧東側諸国の軍用機が参加すること自体は、それほど珍しくはありません。たとえば今年はルーマニア空軍のMiG-21「ランサー」も飛行展示が実施される予定でした(直前の事故で参加キャンセル)。またウクライナ空軍機の参加は今年が初めてではありません。

 しかしながら2018年8月現在、ウクライナは国内の東部において内戦状態にあります。この内戦には半ば公然とロシア軍が介入しており、2014年にはクリミア半島が武力によってロシアに併合され、また同年にはロシア軍以外では運用不可能な「ブーク」地対空ミサイルによるマレーシア航空ボーイング777撃墜事件が発生しています。

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コメント

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2件のコメント

  1. 乗り物ニュースに軍事関係の記事いらないよ。

    • おまそう