戦闘機はいま「軽」がアツい! 「練習機兼軽戦闘機」国際エアショーで発表続々の背景

性能面の全体的な底上げも理由のひとつ

 近年練習機兼用の軽戦闘機市場が活性化したもうひとつの理由として、性能面で旧式の戦闘機を上回る能力を備えていることも挙げられます。

「ホーク」やT-4といった冷戦期に開発された練習機の多くは超音速飛行能力を備えていませんが、F/A-50は小柄な機体に、スウェーデン空軍などで運用されているJAS39「グリペン」と同じ「F404ターボファンエンジン」を組み合わせたことで、最大速度はマッハ1.5に達しています。

 電子装置も本格的な戦闘機顔負けのモノを装備する機種が増えており、レオナルドM-346FAは、ブラジル空軍のF-5E/F戦闘機などに採用されている多機能火器管制レーダー「グリフォ」を搭載しているほか、航空自衛隊のF-15戦闘機でも近代化改修を受けた機体にしか装備されていない、パイロットのヘルメットに内蔵された照準装置も備えています。またアエロヴォドホディ/IAIのF/A-259は、航空自衛隊のF-2戦闘機などと同じ、故障が少なく捜索距離の長いAESAレーダーの搭載も可能とされています。

 F/A-259はさらに、レーザー誘導爆弾やGPS誘導爆弾、レーダー誘導式の中射程空対空ミサイルなど、本格的な戦闘機と同様の武装を搭載できるほか、液晶ディスプレイを使用するグラスコクピットを採用しているため、将来本格的な戦闘機を導入する場合、戦闘機パイロットの訓練をしやすいというメリットもあります。

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首部に「グリフォ」レーダーを搭載するM-346FA(竹内 修撮影)。
液晶ディスプレイを多用するF/A-259のコクピットのイメージCG(竹内 修撮影)。
韓国がF/A-50で得た経験を活用して開発を進めている国産戦闘機KF-X(竹内 修撮影)。

 練習機兼用の軽戦闘機は買い手だけでなく、売り手にとっても航空産業のステップアップにつながるというメリットがあります。前にも述べたようにF/A-50は、韓国のKAIとロッキード・マーチンの共同開発機ですが、KAIは共同開発によって得た技術の蓄積を活用して、国産戦闘機KF-Xの開発に取り組んでいます。TAIはイギリスの支援を受け、国産戦闘機TF-Xの開発に着手していますが、「ヒュルジェ」の開発は本格的な戦闘機の開発に取り組むに前に、TAIが戦闘機開発の経験を積む目的もあったと見られています。

 練習機兼用の軽戦闘機の多くは航空宇宙防衛産業をリードしてきたアメリカや西ヨーロッパ、ロシア以外の国々で開発・製造されており、世界の航空防衛産業の勢力図が変わりつつあることを示しています。また地域によっては軍事バランスを左右するだけの力も備えているため、本格的な戦闘機に比べれば地味な、いわば「ニッチ商品」ではありますが、今後も注目していく必要がありそうです。

【了】

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