なぜ前倒し? 陸自最大セレモニー「2018年中央観閲式」 その歴史と今回の注目点とは(写真13枚)
陸自発足前からの変遷と今年の見どころ
また1953(昭和28)年の保安隊創立1周年記念行事は、練馬駐屯地で開催されましたが、吉田茂首相(当時)がオープンカーでグラウンドに整列した部隊を順閲しました。ちなみに、この時は式典終了後に練馬に集結した部隊が前年同様に都心に向けて行進を行っています。
一方、自衛隊が発足した1954(昭和29)年の観閲式は行われず、陸上自衛隊として初めて中央観閲式を実施したのは翌55(昭和30)年の創立1周年記念式典が初でした。この際に場所が神宮外苑に戻り、以後17年に渡って神宮外苑(1964年まで)や国立競技場正門前(1965年から1972年まで)で式典を行った後、都内を行進するというのが定番となります。
しかし都内の交通事情はその20年の間に劇的に悪化しており、都心の一部を半日交通規制し、さらに自衛隊の行進(車両含む)を各方面に向けて行うことは難しい状況となっていました(1966年は5コースに分かれて都内をパレード)。
かといって保安隊時代に用いた練馬駐屯地はもはや手狭であり、なおかつ事前準備や支援要員の受け入れなどを考え、1973(昭和48)年の中央観閲式から朝霞駐屯地(朝霞訓練場)に移ったのです。
こうして朝霞駐屯地で中央観閲式を行うようになって45年が経ちましたが、今年の中央観閲式は様々な特筆すべき点が挙げられます。
まずひとつ目は、執行者が陸上総隊司令官となった点です。これは昨年度末に方面隊の上級司令部として陸上総隊が新編されたことによるもので、それにともない従来執行者であった東部方面総監は実行本部長となりました。
また観閲行進に16式機動戦闘車(一挙に15両)と水陸両用車(AAV7)が初参加となったほか、観閲飛行にはF-35Aが2機編隊で飛びます。
なお会場の陸自隊員は迷彩服と制服のいずれかを着用していますが、後者はほとんど新型の紫紺の制服で統一が図られています。特別儀仗隊(ラッパ隊含む)や陸自音楽隊も新制服に身を包んでいるので、そこもまた見どころといえるでしょうね。
【了】
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