地域でここまで違う「駅そば」事情 つゆとネギで異なる東と西の境界線、混在の地域も
駅ナカの飲食店として親しまれる「駅そば」。さまざまな土地で食べ比べると、それぞれの地域性が見えてきます。最もわかりやすい関東と関西の違いは、どのようなものなのでしょうか。
「たぬきうどん」は関西では「?」な存在、そのワケは
東西に二分するのではなく、もう少し狭いエリアで、局地的に見られる地域性もあるようです。
関西在住者が関東を訪れ、「きざみそば(うどん)」が存在しないことに驚くといった話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、実はきざみそばは、西日本のなかでも大阪周辺にしかない局地的なメニューであり、岡山県以西ではなかなかお目にかかれないと、鈴木さんは話します。
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「逆に、関東在住者が関西の駅そば店で何気なく『たぬきうどん』と注文し、店員さんが困ってしまったという話もあります。関西では、『たぬき』はそばと決まっているので、『たぬきうどんください』という注文は、いってみれば『そばうどんください』とコールしているようなものなのです」(鈴木さん)。
というのも、関西以外のほぼ全国で「たぬきそば」といえば揚げ玉をのせたそばを指すのに対し、関西では味付き油揚げをのせたそばを指すのだとか。つまり、関西の「たぬきそば」と「きつねうどん」は同じトッピングで、そばを「たぬき」、うどんを「きつね」と呼び分けているのだそうです。
では、揚げ玉をのせたそばを、関西では何と呼ぶのかというと、正解は「ハイカラそば」(おもに神戸市周辺。ほかに「天かすそば」などの表記もあり)です。「首都圏などから関西へ出かけた人が、『ハイカラそばなんていう面白そうなメニューがある』とワクワクしながら注文すると、揚げ玉をトッピングしたそばが出てきてガッカリ、というのは『駅そばあるある』のひとつかもしれませんね」と鈴木さん。また、関西にはそもそも揚げ玉を有料トッピングとして扱わず、タッパーなどに入れて客席に常備し、無料で好きなだけ入れられるようにしている店も多いのだとか。
このような地域ごとの違いは、挙げればきりがないほど。「旅先で食べて違いを実感すれば、それはすなわち『旅情』にもなるでしょう」と鈴木さんは話します。
【了】
※記事制作協力:風来堂、鈴木弘毅
関東でいうきつねそばを「たぬき」と称するのは、大阪のみで関西全体ではありません。
例えば京都のたぬきは、刻んだお揚げの入った餡掛けです。
ほぼフェイクニュースなので、記事取り消せや。
おかあちゃんよくタヌキそば作ってくれましたなあ