カナダはどこを向いている? 日米共同統合演習「キーンソード」へ初参加、その背景

「キーンソード」は「鋭利な刀」といった意味になりますが、その名を冠する日米軍事演習にカナダが参加しました。30年以上続く同演習で初めてのことですが、どのように読み解けるのでしょうか。

カナダの活動を読み解くカギは新たな国防方針にあり

 それでは、今回の「キーンソード」演習にカナダ海軍が初めて参加した背景とは、一体なんでしょうか。それを読み解くカギは、2017年に公表されたカナダの新たな国防方針に有ります。

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2017年に海上自衛隊と訓練を実施したカナダ海軍の潜水艦「シクティミ」(画像:カナダ政府)。

「強固・安全・従事 カナダの国防方針」と題されたこの方針において、カナダはアジア太平洋地域に面する国家の一員として、同地域がカナダの安全と繁栄にとって重要になってきていることを踏まえ、この地域における国々にとって自国が信頼できるパートナーとなることを示しています。これを実現するための具体的な方法として、アジア太平洋地域の主要な国々との領土紛争や安全保障などに関する意見交換といった「戦略的対話」が挙げられ、その一環として「地域における演習への参加などを通じたアジア太平洋地域における継続したプレゼンス(存在感を示すこと)」が示されているのです。

 さらに、アジア太平洋地域の安全保障問題について、カナダはアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドといった従来からのパートナーと緊密に連携していくことも示しました。つまり、今回の「キーンソード」演習への参加は、まさにこの国防方針に沿って実施されたものだったといえるわけです。

 また、カナダ海軍の公式発表によれば、先述したカナダ海軍フリゲート艦の訪日や潜水艦を用いた訓練の実施といった海上自衛隊との連携も、まさにこの国防方針を支持するための行動だったそうです。こうした一連のできごとを踏まえれば、カナダの新たなアジア太平洋地域における方針において、日本はまさに戦略的対話の対象となるような重要な存在として位置づけられていると見ることもできそうです。

 今後、カナダがアジア太平洋においてどのような活動を行っていくことになるのか、日本としても他人事ではない以上、注目していく必要があるでしょう。

【了】

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