引退した千代田線「6000系」どんな車両だったのか 地下鉄で一時代を築いた革新的車両

東京メトロ千代田線を半世紀近く走り続けた電車「6000系」がついに引退しました。「地下鉄車両の一時代を築いた名車」といわれ、その後の地下鉄車両にも多大な影響を与えた6000系は、どのような車両だったのでしょうか。

見た目だけではない「左右非対称」の理由

 6000系の最大の特徴である省エネルギー性能は、1970年代の2度のオイルショックに重ねて語られがちですが、開発に着手したのはまだ高度成長の最中でした。その設計思想がいかに時代を先取りしていたかを示しています。

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先頭部の非常用ドアを片側に寄せた左右非対称のデザインは当時の利用者に大きなインパクトを与えた(2016年9月、草町義和撮影)。

 もうひとつ、6000系を語るうえで欠かせないのが、左右非対称の前面デザインです。

 このデザインは、サンフランシスコの高速鉄道BARTの影響を受けています。「これまでの電車にとらわれずに、乗車意欲をそそる電車」というコンセプトを具現化したその顔つきは、それまで地下鉄を問わず左右対称が主流だった鉄道車両のデザインを一変させるインパクトを与えました。

 しかしこれは、見た目のインパクトだけが理由ではありません。非対称にすることで運転士の視界を広く確保し、機器が増えて手狭になっていた運転台のスペースも確保。非常時の脱出で使う正面のドアはステップを一体にした前倒し式を採用するなど、使い勝手にも配慮した合理的なデザインだったのです。

 営団の力の入れようも尋常ではありません。1次試作車の製作にあたっては、前頭部の実物大モックアップを製作。細部に修正を加えて設計しましたが、完成した車両は想像していたよりも平坦な顔に映ったようで、2次試作車では前面の傾斜角度に設計変更を加え、全体的なプロポーションを改善しています。

 こうして開発された6000系は、その後の営団車両の開発にも大きな影響を与えました。続いて登場した有楽町線7000系電車や半蔵門線8000系電車など、1970年代の地下鉄車両は6000系の技術をベースに開発されています。

 モーターの制御方式、車体設計技術が進歩し、さらなる省エネ化が実現している現在においても、6000系が確立した地下鉄車両の設計思想はしっかりと引き継がれているといえるでしょう。

【了】

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コメント

3件のコメント

  1. 先週の土曜日に、最後の千代田線6000系を一目見ようと霞ヶ関駅へ写真を撮りに行きましたが、同駅に到着時は、車内はパンパンでした。出発した時は、少し混み合っていましたが、座る事ができました。私の思い出の千代田線6000系も、引退後は、インドネシアヘ旅立つ予定です。長い間、本当にお疲れさまでした。そして、さようなら。

    • 最終日、鉄道マニアは公共の場でさんざん喚き散らしてハロウィンの連中と何も変わらないね

      周りの迷惑も考えられないんだろうなあ

  2. 日本の省エネ電車の先祖みたいな立ち位置がこの6000系。約半世紀前にパワーエレクトロニクス機器の開発を熱心に進めてくださったエンジニアたちに今さらですが感謝申し上げます。

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