高輪ゲートウェイ駅誕生の陰に「上野東京ライン」あり? 表裏一体の関係とは

車両基地を縮小できたワケ

 こうして2000(平成12)年には、運輸大臣の諮問機関だった運輸政策審議会が東京圏の鉄道整備計画を取りまとめ、「東京~上野間の線路増設を2015(平成27)年度までに行う」という趣旨の文言を盛り込みました。

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営業運行が始まる前の上野東京ラインを走る試運転列車(2014年8月、草町義和撮影)。

 これを受ける形で、直通化プロジェクトが本格的に始動。東日本大震災の影響もあって工事は遅れましたが、2015(平成27)年3月に直通運転が始まりました。南北の移動が便利になったほか、東京~上野間の混雑も緩和。山手線 上野→御徒町間の混雑率は、2014(平成26)年度が199%だったのに対し、2015(平成27)年度は163%と、一気に30%以上も下がっています。

 しかし、上野東京ラインの効用は、それだけではありません。

 直通運転が始まる前、東海道線の車両は田町~品川間の車両基地を「寝床」にしていました。しかし宇都宮線・高崎線・常磐線への直通運転が可能になったことで、東京駅より北にある車両基地も、東海道線の車両の「寝床」として使えるようになったのです。

 そこで、東海道線の一部の車両は「寝床」を宇都宮線や高崎線の車両基地に移しました。これにより田町~品川間の車両基地に余裕ができ、再開発用地と高輪ゲートウェイの建設用地を生み出すことが可能になったのです。いってみれば、高輪ゲートウェイ駅の「生みの親」は、上野東京ラインということになるでしょうか。そういえば、上野東京ラインもカタカナを含んでいます。

 もっとも、高輪ゲートウェイ駅に停車するのは、山手線と京浜東北線の電車だけ。上野東京ライン(東海道線)の列車は通過します。この駅を育てていくのは、山手線と京浜東北線の電車ということになるでしょう。

【了】

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コメント

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4件のコメント

  1. 高輪ゲートウェイは改名するべきだと思う。
    芝浦駅かJR高輪駅に。

    • JR東はセンスの無い奴ばっかりだと思う。
      車両デザインや列車運行のセンスが最低だと思うね

  2. 何もかも低評価せざるを得ない

  3. 駅名はまあ、反対署名がマスコミに取り上げられても大して伸びなかった時点で大多数の人にとってはぶっちゃけどうでもいい案件だったんだなとは思いますが…
    (やり直したところでさんざん騒がれるだけですし、武蔵野線の駅と同じで開業したら「高輪」と略されることもJRは見越しているでしょう)

    公募の件にしても、はやぶさの時だって「西に向かう云々」「ブルートレインの云々」って一部が騒ぎましたし、確か3位が「はつね」でしたっけね。ミクが廃れたらどう説明するつもりだっていうね。1位と2位も元々東北向けの特急名だから北海道を見据えると微妙でしたし、でも公募しなければ文句言われるしでやりづらいでしょうね。