多摩都市モノレールの延伸は実現するのか 経営破綻寸前から復活、準備も着々と進行

黒字で長期債務も削減、ようやく反転攻勢に

 2006(平成18)年度は輸送人員が計画の11万人に達し、3期連続営業黒字を計上するも、累積損失242億円、債務残高921億円で、37億円の債務超過に転落、2008(平成20)年中に会社の運転資金が底をつくことが決定的になりました。

 営業黒字にも関わらず苦境に陥ったのは、一般的には自治体から無償で提供されるべき車庫用地を、約300億円で有償取得せざるを得なかったこと、東京都からの出資金が少なく、自己資本比率が過小だったことなど、事業スキームの組み方自体に問題があったからです。

 そこで東京都から車庫取得費に相当する300億円の追加支援を受け、金融機関に160億円の繰り上げ返済を行い、その他の借入金返済期間も繰り延べする経営改善計画が実行されます。債務超過を解消し、年間の利子負担が約4億円減ったことで、2008年に初めて1億円の経常黒字を達成。その後9期連続の黒字を計上し、2017年度の営業利益は20億円近くになりました。

 長期債務も2008年度末の約820億円から370億円まで削減が進み、2023年度には210億円まで減少する見込みと、ようやく、反転攻勢に出られる準備が整ったというわけです。では、延伸はどのように進められることになるでしょうか。

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コメント

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7件のコメント

  1. 上北台駅から先は箱根ヶ崎駅ルートは金かかるし利用者見込めない。
    寧ろ、埼玉県にまたがるが小手指駅延伸の方が西武ドームや西武池袋線に出やすくなるからこれも考えた方が良いね。

    • 新青梅街道の拡幅工事では、中央分離帯が4mと十分広く取られるので、箱根ヶ崎ルートの方がよっぽど費用がかからないのでは?
      また、近隣の鉄道から1キロ程離れたルートなので、競合もなく、よっぽど、利用者が見込めそうですが・・・

    • 同感です。
      町田への南進は計画通りで良いですが、多摩地区~埼玉県南部の南北縦貫交通は脆弱極まりないですから、それを改善するにはやはり西進より所沢方面への北進を本気で考えるべきです。所沢市もむしろ、都営大江戸線の東所沢延伸よりこちらに力点を置くべきでしょう。

    • 北上のためには多摩湖を越えないといけませんが、多摩湖は正式名称「村山貯水池」なので、水質悪化の原因となる土木工事は出来ません。
      多摩湖を横断する道路は見た目渋滞が多いように感じますが、片側2車線にすれば渋滞は全く無くなるくらいの交通量しかありません。にもかかわらずそれをしないのは前記の理由からです。
      そのため、モノレールの新規開業工事なんか夢のまた夢、非現実な話と言っていいでしょう。

  2. あるかどうかも定かでない都県境越えの南北移動のOD+観光の誘発効果ではお話にならないと思いますよ。

  3. 南側に関しては、町田へ伸ばすのが正解のような気がするが・・・。

  4. 多摩都市モノレール、町田方面へ南伸するのに、現状の最南端駅である多摩センター駅での駅番号が「TT-01」になっている。町田延伸時は、駅番号を繰り上げるか、多摩センター駅以南の駅番号が00およびマイナスでなければならない。