東京の鉄道風景 半世紀でこれだけ変わっていた 50周年の寅さん映画で定点観測してみた

映画『男はつらいよ』シリーズの主人公・車 寅次郎は劇中、実家のある東京の柴又にふらりと帰ってきます。そのときは京成金町線の柴又駅も度々登場。そこで、50周年を迎えた寅さんシリーズの描く鉄道風景を「定点観測」してみました。

50年前と変わらない柴又駅の構内踏切

「鉄道風景」が移りゆくなか、柴又駅には50年前と変わらないものがあります。東京では珍しい「構内踏切」です。電車に乗るとき、改札を通ってから線路の向こうのホームへは、通常は跨線橋や地下通路を通ります。柴又駅ではそうした施設はなく、その代わりに踏切が設置されています。これが構内踏切です。地方のローカル線の駅にはよくあるものです。

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柴又帝釈天(2019年12月、内田宗治撮影)

 東京の私鉄各線で現在都内に残る構内踏切は、東武亀戸線の亀戸水神駅、東あずま駅、東急池上線の池上駅、西武多摩川線の新小金井駅、多磨駅(橋上駅舎化工事中)、白糸台駅などだけです。それぞれ各私鉄会社のメインではない短い路線の駅です。

 柴又駅で降りて、いまもモデルとなった団子屋などが並ぶ参道の商店街を通って帝釈天にお参りしたあと、そこから徒歩5分ほどの「葛飾柴又 寅さん記念館」にもぜひ寄ってみましょう。館内には、実際の撮影に使用した「くるまや」のセットが移築されています。様々なゆかりの品、京成金町線の前身にあたる帝釈人車鉄道の客車(再現したもの)などの展示のほか、只見線や大井川鐵道など寅さん映画の鉄道名場面映像も見ることができます。

 50年間変わらないものに、参道の団子屋の味も挙げられるかもしれません。柴又駅で降りると、駅前の小さな広場で、寅さんとさくらの像が迎えてくれます。

【了】

【写真】構内踏切が残る柴又駅

Writer:

フリーライター。地形散歩ライター。実業之日本社で旅行ガイドシリーズの編集長などを経てフリーに。散歩、鉄道、インバウンド、自然災害などのテーマで主に執筆。著書に『関東大震災と鉄道』(ちくま文庫)、『地形で解ける!東京の街の秘密50』(実業之日本社)、『外国人が見た日本 「誤解」と「再発見」の観光150年史』(中公新書)』ほか多数。

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