東京の鉄道風景 半世紀でこれだけ変わっていた 50周年の寅さん映画で定点観測してみた

映画『男はつらいよ』シリーズの主人公・車 寅次郎は劇中、実家のある東京の柴又にふらりと帰ってきます。そのときは京成金町線の柴又駅も度々登場。そこで、50周年を迎えた寅さんシリーズの描く鉄道風景を「定点観測」してみました。

柴又で「鉄道風景」を定点観測

 国民的映画といわれた『男はつらいよ』シリーズの50周年記念作品『男はつらいよ50 お帰り寅さん』が2019年12月27日(金)に封切られます。

 このシリーズは1969(昭和44)年の『男はつらいよ』から1995(平成7)年の『男はつらいよ 寅次郎 紅の花』まで、全48作が制作されました。1996(平成8)年に主演の渥美 清さんが亡くなり、翌年に特別編が公開され、今回が50作目で50周年というわけです。

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「寅さん」と「さくら」の像が出迎えてくれる柴又駅前(2019年12月、内田宗治撮影)

 主人公の寅さん(車 寅次郎)は、テキ屋として日本全国を旅して回ります。そうしたなか、全作品に登場するのが、旅の途中でふらりと帰ってくる実家の団子屋。柴又帝釈天(東京都葛飾区)の門前町にある老舗の「とらや」(第40作以降は「くるまや」)です。

 柴又帝釈天は、京成金町線の柴又駅から徒歩5分ほど。金町線は京成高砂駅から京成金町駅まで、全線わずか2.5km、途中は柴又駅しかないミニ路線です。

 寅さんシリーズには柴又駅が登場する作品が多いので、「鉄道風景」の定点観測といった楽しみも味わえます。

 第1作では、柴又駅に、寅さんの妹のさくら(倍賞千恵子)が、とらや隣の零細印刷工場で働く博(前田 吟)を追いかけてきます。改札には切符を切る駅員がいて、ホームにも電車の発車合図をする駅員がいます。現在は自動改札で、改札口にもホームにも駅員は通常いません。

 電車のドアが閉まる前にピーと短く笛の音が響きます。車掌か駅員がドアを閉める合図に吹くもので、京成線に限らず当時の多くの駅でも、現在のようにメロディーでなく笛やベルだったことを懐かしく思い出してしまいます。

【写真】構内踏切が残る柴又駅

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