常磐線「遠回り」の謎 上野~南千住で大迂回状態なぜ? 日暮里寄り道の鍵は田端と石炭

地図を見ると、上野を出た常磐線は日暮里を経由して急カーブを描き南千住へと向かっています。まっすぐ北へ進めば良いものなのに、なぜ遠回りしているのでしょうか。背景には、東京の鉄道の発展と、石炭輸送の歴史が関係していました。

「後付け」で方向転換なしの短絡線を整備

 一方、東京と仙台を常磐線経由で結ぶ旅客列車も、常磐線が全通したころから運転されていました。しかし、旅客列車の東京側ターミナルは東北本線と同じ上野駅だったため、田端駅で進行方向を変えなければならず、手間と時間がかかりました。

 そこで日本鉄道は1905(明治38)年、上野方面と水戸方面を方向転換することなく直通できる短絡線を、現在の日暮里~三河島間に開業。既設の路線に“後付け”で整備したため、急なカーブになったといえます。

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田端~三河島間の貨物線を走る団体列車(2015年4月、草町義和撮影)。

 その後、日本鉄道は国有化を経て、現在はJR東日本の路線に。常磐線は上野方面から水戸方面に直通する旅客列車が大多数を占めるようになりましたが、田端駅から水戸方面に向かう線路も貨物線として残り、1日に数本の貨物列車が走行。たまに臨時や団体の旅客列車が走ることもあります。

 田端駅とその前後の線路の配線が変わったため、いまは折り返しをせずに新宿方面から田端駅と貨物線を経由して常磐線に乗り入れる列車を運転することはできません。ただ、1980年代後半から1990年代前半にかけては、貨物線経由で新宿駅と常磐線方面を直通する旅客列車の運転も検討されたことがあったようです。実際、JR東日本が「上野を経由せずに東京、新宿へ乗り入れられる新規ルートの開発を目指している」(1989年5月18日付けの朝日新聞東京地方版/茨城)と報じられたこともありました。

【了】

【路線図】常磐線「上野発着」までの変遷

Writer:

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

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コメント

2件のコメント

  1. 図がわかりやすくてよかったです

  2. 今も残る旧ルートを使い、できれば水戸(勝田)から逗子・平塚方面へ向かう「常磐新宿ライン」を開設して欲しいです。JRの人、このページを見ていたら是非やってください。

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