「バレンタイン」と呼ばれる戦車 英がソに押しつけ?チョコならぬ余り物バレンタイン
バレンタイン歩兵戦車の「歩兵戦車」はなにを意味するの?
バレンタイン歩兵戦車の初陣は、1941(昭和16)年11月頃の北アフリカ戦線だったといわれています。なお「歩兵戦車」という呼称は、当時のイギリス軍が考えた、戦闘での役割を表すもので、分厚い装甲で対戦車砲やほかの火砲の直接射撃などに耐えて、歩兵と共に敵陣地や塹壕を突破することを想定した戦車、といった意味合いです。装甲的には、他国基準だと重戦車にあたります。
この「歩兵戦車」という分類が曲者で、バレンタイン歩兵戦車は新兵器として配備されたものの、初期のモデルは既存のイギリス軍歩兵戦車が抱えていた問題を引きずっていました。“歩兵”を支援する目的の“戦車”でありながら、徹甲弾しか使えなかったことです。
一般的に戦車が撃つ砲弾は大きくふたつに分類され、敵戦車や分厚い装甲の車両などに対し使用する、貫くタイプの「徹甲弾」と、敵陣地や砲座、銃座などに向けて使用する、炸裂するタイプの「りゅう弾」とがあります。細かい説明は割愛しますが、敵歩兵などの小さい目標に向けて撃つには徹甲弾は不向きで、歩兵を支援する戦車としては必ずしも満足といえる性能ではなかったようです。
ただ、当時のドイツ中戦車とは、状況によっては互角以上の戦いもでき、同じ歩兵戦車でさらに鈍重な「マチルダII」よりは使い勝手がいいと、北アフリカ戦線ではマチルダIIにかわる形で、同戦車が歩兵戦車の主力になります。
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