「夜間戦闘機」はなぜ「夜間」なのか? 日中の活動は苦手な「夜行性飛行機」

現代の飛行機は昼夜を問わず空を飛び交っていますが、かつては夜間に特化したものも存在しました。その代表的なものが第2次世界大戦中に搭乗した「夜間戦闘機」でしょう。通常の戦闘機とはやはり、ひと味違う特徴がありました。

戦闘機 夜はひとりで飛ぶと危険がいっぱい

「夜間戦闘機」とは、文字どおり夜間に戦うことを主任務にした戦闘機のことで、飛行機が兵器として本格的に使われ始めた第1次世界大戦からありました。ただし、当時は単に敵の目を欺くために、夜空に溶け込み見つかりにくくなるよう既存機の外観を黒色などで塗っただけであり、専用装備を搭載することなどはしていませんでした。

 そのため、本格的に「夜間戦闘機」というジャンルが確立したのは第2次世界大戦になってからですが、では第2次大戦時の夜間戦闘機は、第1次大戦のときのものとはどう異なっていたのでしょうか。また夜間戦闘機というものが、その後なくなったのはどういう理由からなのでしょう。

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ドイツで初めて最初から夜間戦闘機として設計開発されたハインケルHe219(画像:ドイツ国立公文書館)。

 第2次世界大戦の夜間戦闘機は、真夜中に襲来する敵航空機、おもに爆撃機を迎撃するために生まれました。夜中は昼間と異なり、視界が著しく狭くなります。そのため離陸しても目標を見つけられないことが多く、戦うことすらままならないことも多々ありました。また戦闘終了後に自らの飛行場に戻ろうとした際、空だけでなく洋上や地上も含めて周囲が真っ暗だと、どう帰ればよいか判断できないこともありました。

 そこで各国とも、専用の「夜間戦闘機」を作り出したのです。とはいえ、ほとんどの夜間戦闘機は、既存の双発(エンジン2基)戦闘機や軽爆撃機、攻撃機などの転用で、新規に夜間戦闘機を開発したのはアメリカとドイツぐらいでした。

【写真】1人乗りを2人乗りに改造「双胴の悪魔」P-38の夜戦型

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