東京メトロが「少し離れた駅を同じ駅扱い」にするワケ 地下鉄網を考えた大きな目的

有楽町線の課題解決が目的の場合も 乗換駅は今後も増えるか?

 典型的なのは、人形町駅と水天宮前駅の事例です。これまで日比谷線と半蔵門線には乗換駅が存在しませんでしたが、両駅が乗換駅化することで、地下鉄のネットワークが新たに広がり、利便性が向上しました。

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半蔵門線水天宮前駅の乗り換え案内。地上経由で日比谷線人形町駅へ乗り換えられる(2020年3月、大藤碩哉撮影)。

 もうひとつの狙いが、有楽町線の利便性向上です。有楽町線は湾岸方面の再開発にともない利用者が急激に増加しており、2019年度の1日当たりの利用者数は、2009(平成21)年度と比較して28.5%増の116万人でした。これは増加率で見ると、東京メトロ9路線のうち、開業年度の新しい副都心線、南北線に次いで3番目に高い数字です。

 しかし有楽町線の都心東部方面は、有楽町駅で日比谷線・千代田線の日比谷駅と接続したのち、終点の新木場まで東京メトロ線と乗り換えできる駅がありませんでした。そこで、銀座一丁目駅で銀座駅と、新富町駅で築地駅と乗り換えできるようにすることで、都心東部の乗り換え利便性を改善する、というわけです。

 2020年3月の現時点では、上述したほかに乗換駅が追加される予定は発表されていませんが、これらの各駅の利用状況によっては、さらなる検討がなされる可能性もあるでしょう。

【了】

【地図】新しく誕生する虎ノ門ヒルズ駅と虎ノ門駅の位置関係

Writer: 枝久保達也(鉄道ライター・都市交通史研究家)

1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx

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コメント

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2件のコメント

  1. 虎ノ門ヒルズ駅じゃなくて、虎ノ門駅にしたほうが混乱しなくていいのにと思います。

    • まぁ確かに。メトロ同士で地下道で接続するなら同じ駅名で良いよね。
      ランドマークと紐づけしたいってのも理解できるけど。