鉄道車両メーカーがステンレスで飛行機を作ったら? RB-1「コネストガ」の挑戦と顛末

ステンレス鋼は錆びにくい鉄として、身近なキッチン用品を始めとして、医療器具や薬品関係、建物、船や鉄道車両など幅広く使われています。第2次世界大戦中には、航空機の構造材として用いられたこともありました。

錆びにくいステンレス製飛行機の誕生

 鉄道車両の分野では、維持費の割安さから錆びにくいステンレス車両が多く見られます。鉄道におけるステンレス車体のパイオニアといえるのが、アメリカの金属加工メーカーであるバッドですが、この会社が航空機市場に乗り出そうと開発したのがオールステンレス機RB-1「コネストガ」です。

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機体後部の扉を開いたRB-1「コネストガ」(画像:アメリカ海軍)。

 1941(昭和16)年12月に太平洋戦争が始まると、アメリカも太平洋戦線とヨーロッパ戦線の両方で戦うことになり、アメリカ陸軍および海軍は航空機の大増産を始めます。

 ところが、陸海軍の双方が航空機の大量生産に乗り出したので、材料になるアルミニウム合金が不足するのではないかとの不安の声が、軍部や航空機業界から出るようになりました。そこでアメリカは、輸送機や練習機などの支援機についてアルミ以外の材料で生産できないか、検討を始めます。

 同じころ、自社の金属加工技術を用いて、ステンレス製の鉄道車両を生産していたバッドは、会社の成長を考えて次の開発目標に航空機を見据えていました。ただし、いきなり戦闘機や爆撃機といった、高い技術が必要な分野に乗り出すのは得策ではないとして、まずは輸送機の開発に挑戦します。

 またバッドは自社のアドバンテージでもあるステンレス加工の技術を用いれば、保守整備性に優れた輸送機ができるとも考えました。

 こうして、アルミ以外の材料で飛行機を生産したいアメリカ陸海軍と、ステンレス輸送機を開発したいバッドの意向が合致し、RB-1「コネストガ」は生まれました。

【写真】輸送機としての構造は先進的だったRB-1

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1件のコメント

  1. wikipediaを訳したような凡庸な記事でしたが、米海軍より払い下げを受けたRB-1がその後世界最大の貨物航空会社となるFTL: Flying Tiger Lineの黎明期を支えた名機であった事実を記載頂きたかったと思います。(御存じなければライターとして勉強不足かと)